ハーシ&ブランチャード「SL理論」

 資格の学校T○Cの企業経営理論のテキストでは、リーダーシップ論の変遷と題して、リーダーシップの資質特性論から行動類型論を紹介し、「行動類型論でベストなリーダーシップのスタイルが明らかにされたものの、現実的に有効でない場合があり、リーダーの置かれている状況に目を向ける状況適合理論が展開された」と教えている。
 つまり、状況の特性によって、有効なリーダーシップのスタイルが異なる、リーダーシップのコンテンジェンシー理論(状況適合論)が展開されたというように記述されている。
 リーダーシップの状況適合理論については、フィードラーの理論がテキストに紹介されているのだが、資格の学校T○CのH講師が教えてくれたハーシ&ブランチャード「SL理論」の方が、 unizouの今までの経験からするとずっと理解しやすいし現実に合っているように思っている。
 フィードラーの理論は条件適合理論といい、「リーダーシップのスタイルを仕事中心型と従業員中心型の2つの軸によってとらえ、リーダーの置かれている状況を、リーダーと集団との人間関係の良好さ、仕事内容の明細化の程度、権限の強さの3つの要因でとらえ、その状況がリーダーにとって統制しやすい、あるいは統制しにくいとき→仕事中心型のリーダーシップが高い業績をもたらし、その状況がリーダーにとよってそのいずれでもないとき→従業員中心型のリーダーシップが高い業績をもたらす」というものである。
 一方、H講師が教えてくれたハーシ&ブランチャードの「SL理論」はというと、「部下の成熟度をコンテンジェンシー要因とし、有効なリーダーシップスタイルは、部下の成熟度に合わせて変えることが必要」というものである。
 「成熟度が高い→委任的、やや高め→参加的、やや低め→説得的、低い→指示的」といった具合である。
 組織の中には、本当にいろいろな人がいる。もちろん、unizou自身もそのいろいろな人の一人であるが・・・。
 その人達を束ね、組織の共通目的を達成すべく、リーダーシップを発揮していこうとするとき、何が一番大事だろうかと考えると、ハーシ&ブランチャード「SL理論」のとおり、すべての人が決して成熟度が同じでないことを理解しているということが一番大事なのだと思う。
 そして、それぞれの人のモチベーションが高くなるように、それぞれの人に合わせた創意工夫が必要といったようなことではないかと・・・。
 ところが、入社してからの年数が長くなれば、入社早々の社員より成熟しているかというと、決してそうではない場合もあるから困ったものである。
 会社にいる年数が長くなれば給料が若干ながら上がっていくが、だからといって、技能は確かに入ったばかりの社員に比べると上がってはいるものの、成熟度が高い(モチベーションが高く周りが尊敬するような姿勢)かというと、自分ことしか考えない、却って厄介な存在になっているケースも結構ある。
 給料が若干でも上がっていくのは、何も技能のみに照準を合わせての話ではなく、その技能を組織目的にあわせて使うことであり、また周囲の人間と協調して組織目的を達成していくように仕向けるような能力も求められているのだと思う。
 先日、ブログに書いた入社3年目の女性社員Oさんのような若い未成熟な社員に対するリーダーシップの取り方。そして、入社二十数年となっている、unizouより年が上の社員で未成熟な社員に対するリーダーシップの取り方。
 それぞれのケースに応じて使い分けて、組織に良いということでなく、本人にも良いようなリーダーシップの取り方。こういったことも、unizouの腕(リーダーシップ)の見せ所かもしれないと思っている。