5S

 運営管理で学習する5S。
 整理、整頓、清掃、清潔、躾のことである。
 昨年の1次試験の学習の際、ある練習問題に「躾」ではなく「誠実」に変えて正誤を問う問題があった。その問題の解説には、この「躾」について、「躾は職場の規律を守るために行う活動であり、5Sの最も基本となる部分である。つまり、これができないと他の活動は定着せず、元の状態に戻る可能性が高い」とあった。
 そして、unizouはこの解説を読んで「なるほど」と思う出来事を思い出した。
 unizouの会社が、ジョブローテンションの多い会社であることは、再三ブログで伝えてきた。
 そのため、数年前unizouは関東から離れて長野県長野市に勤務していたことがあるのだが、その当時「事務の合理化・改善」のため、いくつかのことを思いついて、それを1年間徹底的にやらせていた。
 その一つが、数名雇っていたアルバイトにやってもらう仕事のことだった。
 unizouの会社では、社員ではどうしても手が足りない仕事を、数人のアルバイトでやらせていた。
 ところが、いつも同じ仕事ということでなく、毎日毎日違う仕事をお願いしなければいけない。
 「午前中は請求書作り、午後は・・・」といった具合である。担当者もお願いしたい仕事がさまざまなのだが、それが、なかなか、アルバイトに伝わらない。
 そこで、アルバイトによっては、時間配分を考えて仕事をしているつわものがいる。
 そのため、何とか効率的に仕事をしてもらおうと、1週間の表を作成して、各担当者にアルバイトにやってもらう仕事を1週間分記入してもらうことにしたのだ。
 そして、仕事が途切れることなく、アルバイトに渡せてやってもらえるようにしたのだ。
 それが定着し、社員の仕事の準備がアルバイトにスムーズにやってもらえるようになり、社員は社員がやらなければいけない仕事に専念してもらえる状況になった。
 しかし、unizouが1年間の長野の勤務を終え、後任者にあとを託したところ、その後すっかりそのことは忘れ去られてしまったということを聞いた。
 unizouの職場では、生産ならぬ事務の合理化・改善を必要とする事項はたくさんあるが、それを真剣に継続的に行うために、自主管理活動(職場における問題の改善などに、小集団活動《作業者などの集団が作業方法や作業環境の条件などについて、主体的に取り組み改善を図ろうとする活動のこと》として従業員がその自主性を発揮して取り組む活動)するケースが少ないのだ。
 それは、一人ひとりが、事務の合理化・改善を意欲的に取り組んでいないことの現われでもあると同時に、5Sのうちの一つの「躾」が、きちんとされていないことの表れであると、その問題を読んで痛感したものだった。
 5Sに「仕掛け」や「仕組み」を加えて7Sというケースもあるそうだが、いくら「仕掛け」や「仕組み」をうまく考えても、それを継続的にしっかりとやってくれる社員がいないのでは、絵に描いたもちである。
 「『躾』ができなければ、他の活動は定着しない」とは、本当にうまく言い当てたものだと感心しつつ、診断士の学習がこんなことにも役に立つものかと驚いたものだった。
 学習後、そのことを意識して仕事をしているが、職場の意識が低いのかunizouの躾の仕方が下手なのか、「躾」はなかなかうまくいかず、自問自答する日々が続いている・・・。(o´_`o)ハァ・・・