「部下を動かす人事戦略」

 中小企業診断士の資格を目指す人たちにとって、「メッカ」のようになっているブログ「502教室」をよく閲覧する。
 教室講座に行っても思うことだが、中小企業診断士を目指してがんばっている人たちが多いことに驚かされ、励まされる。
 そして、いつも最後は、リンクを張っている皆さんのブログを見て、自分の学習と比較しては、そのがんばりに打ちのめされ、自分を叱咤することになる。
 世の中には、楽をして生きたいと思う人もいるが、逆に、「502教室」に登場する人たちや「教室講座」で見かける人のように、いつも自分に負荷をかけて前向きに取り組んでいる人の多いことに、“ほっ”とさせられる。
 今回、その「502教室」にリンクを張っていただいた。
 できるだけ診断士受験に関係のあること、毎日書き続けること、1日1600字くらいを目標に昨年からブログを続けてきているので、少しでも皆さんの参考になればと思う。
 ブログ「502教室」にあるカウンターの進みの速さに焦りを感じながら、これからも毎日書き続けようと思う。

 以前にも紹介したが、PHP新書から出ている「部下を動かす人事戦略」【著者:金井壽宏/高橋俊介】が、面白い。買ったのはずいぶん前になるが、なかなか読めずに、連休中に一気に読んだ。
 概要を説明するには、もう少し整理する時間が必要なので、診断士に関係のある部分を紹介したい。
 経営情報システムで習ったCIO(Chief Information Officer:情報戦略統括役員*1)について。
 最近、人事担当のトップをCIOに倣ってCHO(Chief Human Officer)というそうだが、当事者がこの言葉を喜々として連発しているのを聞き、CHOの意味を本当に理解しているのかと書いている。
 CHOは、「サーバントリーダーであり、決してカッコよくもなく、大きな課題を与えられて喜んでいられないはずなのに」である。
 昔、CIOもそうだったという。
 高価なメインフレーム・コンピュータを扱えるだけで、一目置かれ鼻高々だった。どこの会社でも、ユーザーの声は聞いていられないといった傲慢な空気に覆われていた。
 しかし、IT革命の波が押し寄せ、社員一人ひとりにパソコンが配られて、コンピュータが聖域でなくなると、自分たちより知識のある新入社員が登場した。
 そして、必要なシステムは部署ごとに発注、開発するようになり、一元管理する従来のやり方は嫌われ、仕事はサーバーの管理だけになってしまった。
 集中処理から分散処理の時代、クライアントサーバーシステムという名前が使われようになったことは象徴的なこと。
 真のCIOとは、コンピュータの専門家から、現場で情報を扱う人のサーバントへ、さらには、IT知識を活用した競争優位性ある戦略を立てることができるビジネスパートナーになること。

 なるほど。CIOと言っても、競争優位性の戦略を立てられなければ意味がない・・・? やっぱり、言葉だけでなく、何事も本質を理解しないといけないとためになった。

*1:企業内の情報システムや情報の流通を統括する担当役員。最高情報責任者や情報統括役員などと訳される、企業の情報戦略のトップである。元は米国の企業で用いられていた呼び名だが、情報戦略に注目が集まるにつれて日本でも採用する企業が増えつつある。情報システムの構築や運営に関する技術的な能力だけでなく、そうして得られた情報を基にCEO(最高経営責任者)ら経営陣に対して適切な報告・助言を行なうことも求められ、経営戦略に関する深い理解と能力も必要とされている。