コンプライアンスとコーポレートガバナンス

 診断士受験の重要科目、企業経営理論で習ったコンプライアンスコーポレートガバナンス
 最近話題になった企業の不祥事を見ると、企業にとってコンプライアンスコーポレートガバナンスがいかに大事かということが良くわかる。
 この件に関しては、パロマトヨタなど老舗や超一流の企業でさえ、例外ではないといえる。
 そして、組織となると、一人の非常に清廉潔癖な人間が淡々と人生を歩むのとは違い、利益や利害に如何に弱いかといえるのが、岐阜県庁の裏金事件である。
 岐阜県では、県情報公開条例施行直前の1994年度当時、裏金づくりが県教育委員会を含む県全体で行われ、その総額は約4億6600万円と推計されているという。現在の残高は約2億6500万円であり、県職員組合の管理口座などへの移し替えは当時の県幹部の指示で、同口座に移し替えられずに職員らが保管していたその一部の五百万円について「燃やしたり、ごみに混ぜて捨てた」という職員まで出るという始末だという。
 もう完全に神経が麻痺してしまったとしか言えないような状態で、誰も流れを止められなくなってしまったようだ。
 診断士になると、そういう不祥事の場面に出くわすことがないとはいえない。その時、unizouならどうするか?unizouのまわりでも、小さな不祥事の話は耳にする。
 母が定期的に年に数回、以前自治会の婦人部で一緒に役員をやった人たちと懇親会(飲み会)に出かける。その時持ち回りで幹事をするのだが、精算して必ず領収書をもらうときに、自営業をしている家の奥さんの名前でもらうという。そして、その奥さんは、接待交際費として経費で落とすのだという。「それおかしいんじゃない?」と母に言うと、「そうなのよね。でも、みんなが精算する段になると、『○○さん、領収書要らないの?』っていうくらいなの?」とうこと。
きっとそうすることで、他人の税金が多少安くなっても高くなっても自分には関係ないことという意識が働くのだろう。
 本当の社会全体の公正な競争なんてないかもしれないが、それでも、こういったことを許すことは、「正直者がバカを見る」世の中にすることになる。そして、その膿はいずれ社会全体を腐らせてしまう。
 では、誰がそういったことを止めるのか?
 それは、診断士も含めた士業(税理士、弁護士など)の人たちだと思う。
 クライアントの短期的な利益でなく、長期的な視点に立った利益の獲得には、コンプライアンスコーポレートガバナンスが絶対必要なのだ。
 だから、unizouも言いにくい状況にあっても、診断士としてそのことを伝えられることが大事なことだと思っている。