半沢直樹

 TBSの新日曜劇場で放映されている「半沢直樹」が、面白い。
 unizouとしては、半沢直樹が良く使う「バンカー」の意味を噛みしめながら観ている。
 そして、笑福亭鶴瓶さん演じる父親の言葉、「ロボットみたいになったらあかんで、人と人のつながりは大事にせなあかんで」という言葉にも、共感を覚えている。

 今の時代でも、銀行員一人一人は、普通の人なのだと思う。
 ところが、銀行だけでなく、どこの組織でも同じなのだと思うが、組織としていろいろなことに関わってくると、普通の人が、突然、恐ろしい人に変容する。組織を守るためだと言いながら、実際は自分を守るためだけに、非人間的なことを平気でしてしまう。そして、そういう非人間的になってしまった人を、周りの人間も自分を守るために止めることができない。

 さて、unizouが考えるバンカーとは何か。
 決算書を精査し、社長ほか従業員の事業に対する真摯さを推し量るなど、適度な緊張感の中で顧客と向き合い、社長や従業員、そして会社の取引先や会社の社会貢献のため、寄り添うように、アドバイスや適切な融資をしていく。
 といったところだろうか。しかし、こういったことは、手間がかかるし、面倒くさいし、大きな利益に繋がらないのだろう。

 ドラマの中で、宇梶剛士さん演じる西大阪スチール社長の東田満が、
「銀行は晴れの日に傘を貸して、雨の日に取り上げる」
と言っている。
 これは、unizouが、実際に会った多くの事業者から聞いた言葉である。
 西大阪スチール社長の東田満も、言語道断な人間なのだが、unizouが考えるバンカーとは程遠い銀行員はドラマの中だけでなく、実際に多いのかもしれない。
 ただし、だからと言って、西大阪スチール社長の東田満のようなどんな事業者にも、目をつぶって融資するべきだと言っているのではない。
 
 グローバル化し競争が激しくなったと言っても、何億も何十億もの融資だけが大事なわけではあるまい。
 前にも書いたが、経済だけでなく、社会の秩序においても、銀行は世の中の羅針盤だと思うのだ。
 雑多な企業との最前線にいる銀行が、きちんと企業と向き合えば、世の中の秩序は保たれ、経済もきちんとした方向に進む。バブルのような浮かれた事態は招かなかったはずだと思うのである。
 ドラマのこれからの展開を楽しみながら、多くの銀行員の皆さんに熱い気持ちを呼び起こしてもらえたらと期待している。