神の領域
昨日、以前同勤した後輩に会社のエレベーター前で会った。
元気?
えぇ、元気です。
お子さんは?
えぇ、元気です。
もう、いくつになったの?
2歳半です。
そろそろ、二人目が欲しいんじゃない?
えぇ、今妊娠中です。今度も、男の子です。
もう、わかってるの?知らない方がいいのに(笑)
えぇ(笑)
生まれてくる子が、男か女かわかるくらいなら、あまり気にしないが、昨日の読売新聞にあった「新型出生前診断で、陽性と確定した妊婦のうち2人が人工妊娠中絶」という記事は、笑えなかった。
陽性と判定された29人は、ダウン症が16人、18トリソミーが9人、13トリソミーが4人だったそうである。
確かに、障害を持った子を育てることは大変だ。
生まれてきた子も、本当に生まれてきて良かったのかと思うかもしれない。
しかし、これからの時代が、生まれる前から、障害だけでなく顔や優秀さなどで、人間が選別されて生まれてくることになったらどうなのだろうか。
きれいな人、優秀な人、運動のできる人などだけが生き残る世の中になっていくことはないのだろうか。
人間が、わかっていいことと、わかってはいけないことの区別はないのだろうか。
人間が、操作してはいけないこと、操作していいことの区別はないのだろうか。
既に新型出生前診断が始まってしまったが、もう少し、どうあるべきかを慎重に議論すべきなのではないかと思うのである。
神の領域に人間が踏み込んでは、倫理や秩序が乱れ、個々の上辺だけの幸福追求が社会の崩壊に繋がってしまうのではないかと、危惧している。