ブレイブ ハート

 上司と映画の話題になり、上司がイギリスの歴史が好きで、「ブレイブ ハートは良い映画だよ」と言われ、以前観ていたのだが、もう一度観たくなって先週末にDVDをレンタルして鑑賞した。
 ブレイブ ハートは、13世紀末、悪政に苦しむスコットランドの独立と開放を目指して戦った実在の英雄、ウィリアム・ウォレスの生涯を描いた歴史スペクタクル大作。
 上司のお勧めは、ウィリアム・ウォレスが処刑される間際、慈悲を乞うように執行人から言われても信念を曲げず、「Freedom」と言ったところ。
ブレイブハート | 映画-Movie Walker

 最初、ウィリアム・ウォレスは、イギリスに支配されるスコットランドで穏やかで平和な暮らしを望んでいた。しかし、妻が英国兵に殺されたことで、悪政に苦しむ人々と共に自由と解放を目指す抵抗軍を組織し、奇抜な戦略で圧勝しヒーローとなる。
 その後、仲間に裏切られるなどし、罠に落ち、ウォレスは捕らえられ、反逆児として裁かれる。ウォレスの死後、ウォレスの遺志を継いだロバート率いる軍が戦いに勝利し、スコットランドに自由と平和が訪れるというストーリーである。
 米アカデミー賞作品賞、監督賞などを取った作品なので、ご存知の方も多いと思う。

 映画は残酷なシーンも多く、平和や自由が簡単に手に入らないことを、しっかりと訴えてくる。
 この映画を観て思うことは、日本ではそういう気持になかなかならないかもしれないが、多くの犠牲のもとに、平和や自由や自立といったものが得られているということだ。
 「平和な日本を」と叫べば、簡単に平和や自由、そして自立が手に入るものという感覚しかない人たちがいると、ぜひ、観てもらいたいと思う。 こういったことは、良いとか悪いとかいう判断のものでは一切ない。人間の現実なのである。
 「平和憲法があるから、平和が守られた」というのも、同じ考えにしか思えない。
 地理的、歴史的に運が良かっただけである。
 一般の国民がそういった考えを持つのは、まだ許せる。
 しかし、国民を守るべき政治家が、一般の国民程度のことしか考えていないとしたら、信頼できない。
 そして、そのような政治家に、「この人が、自分や家族、同胞の命や財産を守ってくれる」とは、到底思えない。
 ウィリアム・ウォレスのような人はいない。
 平和が良いに決まっているが、平和や自由を守るためにそうならないケースもあるということが想像できない政治家は、本当はいらない。
 折しも参議院選挙の選挙期間中である。
 聞こえの良いことを言う人より、万が一のことに備えて用意周到で、そういった現実の中で平和や自由を守ろうとする信念の人を選びたいと思う。
 ・・・なかなかそういった人はいないのだが。