公務員の昇進

 大親友のK君は、公務員である。
 昨日、しばらくぶりに会って、親交を深めた。
 その中で話題になったのが、公務員の昇進のこと。

 Kクンが言うには、「公務員の昇進は、実績は何一つ関係ない。あるのは、調整と協調。うるさくなく、一緒に酒が飲めて、言うことを聞く部下が一番。そういう人が、出世する」という。
 民間なら、稼げない部下なんて、昇進するはずがない。
 もちろん、調整力や協調性は大事だが、偏った考えでの調整力や協調性は、会社を傾かせることになる。
 Kクンの話を聞いていて、この国は大丈夫かな?と一瞬思ったのだが、Kくんは続けて言う。
 「そうは言っても、必ず地道に組織を支えて、国民の負託に答えている人たちがいるんだよね」と言う。
 「幹部は、『超勤はするな』って言うけど、やるべき仕事はたくさんあって、どこの役所に行っても、役所の窓際にたくさんの書類が山積みになっていて、言われたとおりにしていたら、みんな先送りや塩漬けになってしまう。心ある人が、きちんと処理しているから、そんな問題にもならないのに、評価されていないんだよね」と・・・。

 参議院選挙で、政党が公務員の制度改革を訴えていて、それはそれで大事なことかもしれないが、根本にある問題は、もっと違うところにあるような気がしてならなかった。
 公務員が公務員を評価していること自体が、本当は問題なのかもしれないと、・・・。

 参議院選挙は近付いているが、政党の体たらくから国民の関心は薄い。
 公務員も頼りにならない人ばかりが幹部になっていくと聞いたら、この国の未来は暗い。
 いくら国民が頑張っても、いかんともしがたいときが来る。
 会社が潰れるのが良いとは言わないが、国が潰れると困る。
 「Kクンのような心ある公務員に頑張ってもらうしかない」という気持で、家に帰った次第である。