ゴーイングコンサーン

 ゴーイングコンサーンとは、企業などが将来にわたって、無期限に事業を継続し、廃業や財産整理などをしないことを前提とする考え方。
 商法や会計学を学ぶときに、必ず出てくる言葉である。
 この言葉に表される会計処理に、固定資産の取得原価主義、減価償却制度、繰延税金資産の計上などがある。
 会社の起源は、大航海時代の航海ごとに作られたものが始まりだという。
 つまり、1回ごとの航海で、利益を清算していた。
 今では、「企業には継続するという社会的使命・責任がある」という前提で、会社経営はされている。

 では、一体企業が継続するために何が必要なのだろうか?
 多くの企業を見て来たunizouが思うには、

  1. 大きな利益を求めないこと
  2. 従業員に利益を還元すること 
  3. 取引先と対等の関係で取引をすること
  4. 社長など経営陣が自己の利益ばかり考えないこと

 が大事ではないかと考えている。

 そんな企業の典型が、実際にある。
 それは、長野県伊那市にある伊那食品工業?である。
 日経ビジネスオンラインから引用する。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20090409/191444/?P=1

 「成長」にあえて背を向けている企業がある。この会社が重視しているのは従業員の幸せと企業の永続。そして、それを実現するために持続的な低成長を続けている。
 社是は「いい会社をつくりましょう」という。

 そして、この会社の経営理念は「社員の幸せを通して社会に貢献すること」

 「会社は何のために存在するのか。皆難しく考えるけど、オレにすれば難しいことなど何もない。人間すべての営みは人が幸せになるためにある。企業や組織、あらゆる団体は人間が幸せになるために作ったものじゃないのか」

 「どんなに儲けている会社があったって、従業員が貧しくて、社会に失業者が溢れていれば、それには何の意味もない。世界一売る小売りが米国にあるけど、従業員の10%近くが生活保護を受けているという。それで『エブリデイロープライス』。いったい何なのって思わないかい」

 「会社の目的は売上高や利益を伸ばすことではなく、社員を幸せにしたり、世の中をよくしたりすること。売上高や利益はそのための手段でしかない。商品やサービスを通して社会に貢献していくのはもちろん重要だよ。でも、それは企業の役割の1つであって、すべてではない。会社はもっと露骨に人の幸せを考えなきゃいけない」

 「立派な社会人であれ」。塚越会長は事あるごとに社員に語る。立派な社会人とは、人に迷惑をかけない人間のこと。会長自身、会社や社員、取引先に迷惑をかけないように生きてきた。その教えが隅々まで浸透しているからだろうか。同社の社員は「立派な社会人」を実践している。

 ギャンブルのように一攫千金を求めても、社長の利益ばかりを求めても、企業は長くは続かない。