女性登用の本当の意義2

 偶然にも、昨日の読売新聞の人生案内は、子どものいない30代女性が上司から引っ張られて、将来を期待されるポストに配属になったことで、ストレスを抱えているという内容だった。

 仕事量が膨大に増えて、毎日、自分の能力を超える責任の重い仕事を要求されて、つらくてたまりません。 私はキャリアを積むより、自分の力の範囲内でコツコツ仕事をする方が向いている。

 これを読んで、「昇進することだけが女性登用なのか」ということ、それから、「一人の人に仕事量が膨大に増えるというマネージメントがどうなのか」と考えてしまった。
 こういったことは、投稿した30代女性だけでなく男性にも言えること。

 上司が引っ張ったくらいなのだから、投稿した女性に能力はあるのだと思う。
 しかし、昇進したポストだけでなく、様々なポストにある人が、会社を支えている。管理職や偉くなることが、女性登用ではないと思う。
 グローバル化だからと、企業は何でも社員に求め、リクエストに答えられないと、「代わりはいくらでもいますよ」という態度のようだ。
 本当にそれでいいのだろうか。
 それで、社員が、会社を好きになることができるのか?
 甚だ疑問である。

 以前からたびたびこのブログの話題に出る大親友の友人K君は、公務員である。
 以前K君から聞いた、公務員の世界。
 幹部職員は、予算が縮減されたせいで、「超過勤務削減」とやたら言うそうである。
 しかし、実際は仕事量が減っているわけでなく、、「超過勤務削減」をすれば、仕事を切り捨てするか、適当にせざるを得ない。
 責任感のない公務員は、これ幸いと定時に帰る。
 責任感のある一部の公務員が、サービス残業で使命を全うしているという。
 K君は、「管理職なんて、『超過勤務削減』と掛け声ばかりで、なぜ、仕事量が多いのか、一部の人に負担がかからず市民の要望をこなすにはどうしたらいいのか、といったことは一切考えない。一番悪いのは、トップが末端の部下の実情を何も知らず、マネージメントもできず、無能力な人ばかりなこと。」と嘆いていた。

 30代女性の職場も、似たような状況なのかもしれない。
 長く職場に貢献させるには、居心地が良く働ける環境があること。
 これは、夫婦関係、男女関係、友人関係などにも言えることかもしれないが。

 投稿した30代女性のような有為な人物が辞めることがないよう、彼女の上司や管理職の人たちに、「女性登用とは?」、「何が職場に必要なことなのか?」を良く考えてもらいたいと思った次第である。