個人経費付け込みの功罪
昨日、ケンタッキーフライドチキンを買いに近くの店舗に出かけた。
店舗の駐車場に着いたところに、産業廃棄物の収集業者のトラックが入ってきて、車内から若い男性2人と女性1人が降りてきた。
店内のレジで、その若者たちと一緒に並んでチキンなどを買っていると、彼らから「誰が払うの?」とか、「いいよ、いいよ、会社の経費にすれば・・・」というような会話が聞こえて来た。
最近、本屋に行った時、「税務署員だけのヒミツの節税術 - あらゆる領収書は経費で落とせる【確定申告編】 (中公新書ラクレ)」という、税務署のOBの大村大次郎なる人が書いた本が目にとまった。
中身を少しだけ見ると、やり方によって個人的な経費と言えるものまで、会社の経費で落とせるというような話らしい。
ケンタッキーフライドチキンを買いに来た若い3人の男女が言っていたようなことを、その本では合法的になるような方法を説明しているらしい。
実際、ケンタッキーフライドチキンを買いに来た若者たちがしているようなこういった話をよく耳にする。
例えば、近所の人同士の飲み会で勘定は割り勘なのに、事業をやっているメンバーが幹事でもないのに率先して全員分の支払いを済ませて領収書を持って帰るとか、取引先にお中元やお歳暮として購入したように見せかけて、実際は個人のものを購入していたとかなどである。
unizouは、税務署OBの大村大次郎なる人物を信頼ならない人物だと思っている。
税務署に勤めていても、きっと役に立たなかったに違いない。というのは、会社や個人の事業主の会計は、税金の申告のためだけにあるのではないからである。
どれだけの努力で、どれだけの利益が出たかを経営者などが計るものである。
だから、事業に係るものと、個人が支払うべきものを、ごちゃまぜにしたのでは、正しく事業を見ることはできない。
どこに問題があって、どうすれば利益がでるようになるのか考えることはできない。
だから、税金の申告のためだけに会計があるかのように、その場しのぎ的な節税?(脱税)対策を教える大村大次郎なる人物を信頼ならないと思うのである。
だいたい、個人的な経費は、きちんと役員も従業員も自分のポケットマネーから払えるようにすべきである。
正統にやるなら、多少の役員報酬や給料を上げた方が良い。ちゃんと役員報酬や給与といった経費になるし、社員のモチベーションもあがる。
経営陣も社員も、「会社の利益が出て、役員報酬や給与が上がる」というように理解させた方が、やる気が出て良い会社になる。
悪いことを教える人物は、短期的な目先のことしか考えていない。
良いことを教える人物は、長期的でその人にとって本当に大切なことが何かをきちんと教えてくれる。