企業のコンプライアンスと長く続く企業

 日興証券厚木支店(神奈川県)の30代男性社員が昨年7〜8月の複数回、営業を担当していた同県内に住む80代女性の70代の弟になりすまし、大手証券会社2社に携帯電話で連絡、証券会社担当者と女性との会話が途切れるたびに男性社員が電話を代わって会話を誘導し、それぞれ約2500万円の投資信託を解約させるなどし、解約金を日興証券が扱う外貨建て債券の購入に充てられたというニュースがあった。
 企業のグローバル化と言っても、大きなお金を動かしていると言うだけで、個人のモラルは最低である。そして、このニュースでは、女性の弟が、同支店の幹部らに「姉は認知症。取引はやめてほしい」と繰り返し訴えていたにもかかわらず、幹部らは「正常な取引だ」と主張しつづけ、契約を見直すことはしなかったそうである。
 
 どこかで歯止めが利くのが組織だと思うが、組織ぐるみでお金儲けに走っている。振り込め詐欺と何ら変わらない。グローバル化などとはちゃんちゃらおかしい。
 
 テレビCMで「長く続く企業が多い国は、良い国だと思う」というのがある。
 評論家は、企業に「グローバル化」を勧めるが、そんなことより、消費者に誠実に対応する企業になることが大事である。それだけではなく、従業員や取引先にも誠実な対応をすることが大事である。
 そして、そういうことができる企業が、長続きする企業だとunizouは思っている。
 大きな「利益」を得ることだけに囚われることなく、普通の感覚で企業経営をしてもらいたいとつくづく思ったニュースである。