放置空き屋都市で増加

 今日の読売新聞の3面「スキャナー」で、放置空き屋が都市で増加しているという話題が取り上げられていた。
 以前から、日本は人口減少が激しく、土地は余るし、アパートも余るとブログに書いてunizouも警鐘を鳴らしていた。
 土地の荒廃や都市のスラム化は、今のように中途半端に土地所有者の権利ばかりを認めていたのでは、当然起き得ることだろうという認識でいる。
 土地の所有は認めても天からの預り物だという認識で所有者が責任を持って管理しないと、荒れ放題、治安・防災・景観に影響が出るということだ。
 所有者は死亡し、核家族化した相続人の子どもはそこに住まず、管理もしない無責任さで、お化け屋敷のまま放っている人たちがいかに多いことか、町や郊外を車で通ったり、歩いたりすれば、どこの市町村に行っても見る光景だ。

 記事には、空き屋問題に詳しい富士通総研の米山秀隆上席主任研究員は、次のように述べている。

 放置されている空き屋は、高度成長期に建てられた築50年程度の物件が多い。核家族化で子世代が同居しなくなり、親が亡くなった後に空き家となる。この傾向は、都市部でも交通の便が悪い地域に顕著だ。

 未だに郊外は住宅やアパートなどに野放図に開発され、一方で都市部や周辺地域の土地や建物の荒廃も見られる。
 スプロール化する国土は、道路・下水道など公共施設の維持管理にかかる国や市町村の財政負担は効率の悪さからに大きくなり、国民の負担は人口減少も相俟って否が応でも増え続ける。
 放置さえる理由については、

子の世代が土地や家屋を相続しても、1権利関係が複雑で相続者が多数いる、2遠方に住んでいるため管理する意識が低い、3管理費用を捻出できない

 ということだという。
 今の行政のやり方では到底、一時的な対処しかできず、都市は荒廃し国民負担は増えるばかりだ。
 都市部を整理し、国土のスプロール化を止めて、住環境を良くし、財政負担を減少させるには、管理をしないで放っておく所有者には、私権(所有権)を制限せざるを得ないのではないか。
 こういう問題にぶち当たると、いつも思うことだが、政治家はどういう生活を国民にさせようとしているのだろうかと考える。
 すべての人が満足することは難しいかもしれないが、「日本国民は、最低限こういう生活ができますよ」ということを国民に示すことが本当は大事なのだと思うが、どの政治家もそこまではしてくれない。