牧伸二さんの死、成年後見制度、二つの共通点

 素朴で下品でないネタでお客を笑わせる漫談をしていた牧伸二さんが、自殺とみられる事故で亡くなった。残念なことだ。
 ニュースを聞くと、誰もが自殺する理由が見当たらないと口を揃えたように言っていた。
 一方で、牧さんが会長を務めていた任意団体「東京演芸協会」の資金流用疑惑について、その責任を取ったのはないかという話もある。
 東京演芸協会の資金は、会長の牧さんともう一人の事務局の担当者と二人で管理していたそうである。
 もう一つ気になるニュースがある。
 それは、成年後見制度に関するニュースだ。
 成年後見制度は、法務省のホームページには、次のようにある。

 認知症、知的障害、精神障害などの理由で判断能力が不十分な方々は、不動産や預貯金などの財産を管理したり、身のまわりの世話のために介護などのサービスや施設への入所に関する契約を結んだり、遺産分割の協議をしたりする必要があっても、自分でこれらのことをするのが難しい場合があります、また、自分に不利益な契約であってもよく判断できずに契約を結んでしまい悪徳商法の被害にあうおそれもあります。このような判断能力の不十分な方々を保護し、支援するのが成年後見制度です。

 その成年後見制度について、「成年後見人横領:制度悪用の元司法書士実刑」というニュースがあった。毎日JP
 http://mainichi.jp/area/gunma/news/20130409ddlk10040145000c.html

 牧さんの件の真偽も定かではないが、疑いを持たれたこと自体に大きな問題があり、事実とすれば悲しい話である。
 また、成年後見制度も、制度の趣旨からすれば、こういった事件が起きることは残念な話であり、制度の信頼を揺るがせかねない話しである。
 しかし、こういったことを、一部の不心得者がすることと片付けてしまうのは、どうかと思う。
 やはり、Wチェックする体制が必要ではないかと思うのである。
 会社にしろ、任意団体にしろ、成年後見制度にしろ、Wチェックする体制があってこそ、組織や制度への信頼ができるのではないかと、そう思うのである。
 そして、誰もが持っている人間の弱さを克服することにもなるのではないかと、二つのニュースを聞いてそう思ったのである。