一日一生

 坂口良子さんが亡くなられたと、昨日の朝、出張先のホテルでテレビをつけて知った。
 昨年、夫尾崎建夫さんとの挙式をテレビで放映していたので、「嘘でしょ!」という感じだった。
 最近、坂口さんのような若い有名な人が急に亡くなったり、各界で社会に貢献した人たちが亡くなったりすることが多い気がしている。そして、2年前は、大勢の元気な方が、東日本大震災で亡くなった。
 坂口さんの場合は、いろいろ苦労をされて尾崎建夫さんとの挙式を挙げ、それからわずか9カ月程度しか経ってないこともあって、誰もが、坂口さんは、今、穏やかな幸せの中にあって、それが、これからもずっと続くと思っていただろう。きっと、本人も、そう思っていたはずである。しかし、容赦なく病魔は坂口さんを襲い、坂口さんにとって大切な人たちに辛い痛みを与えた。
 東日本大震災も、昨日元気だった人を、家族や友人から奪った。
 死は、生きとし生きるものにとっては、仕方ないことなのだが、こういった死はどうにかならないのかと思う。
 本人や周りの人にとって、余りにもつらいことだと思う。
 しかし、これが現実なのだ。誰もが、そういった境遇にならないとは限らない。

 unizouは、以前から死を意識していたが、その意識は死を怖がる感じのものだった。
 最近は、怖くなくなったとうわけではないが、もっと違う感じで死をとらえるようになっている。
 それは、「般若心経 人生を強くいきる101のヒント」(三笠書房刊 知的生き方文庫)という公方俊良さんの本を座右の書にしているからかもしれない。
 様々な人の人生を参考に般若心経が説明されているので、非常にわかりやすい本なのだ。
 そのP110に「今朝生まれた、今夜死ぬ・・・一日一生の発想」という章がある。
 過去や未来でなく、「現在ただ今」を充実させることが大切なことであり、真の幸せの世界は、他の別のところにあるのではなく、「ここ」にしかないということが書かれている。

 人間が生まれ、死に、また再生し、死んでいく。この繰り返しの輪廻転生を日々経験しています。眠りに入り、再び目を覚ますことにおいてです。死はまさに、一夜の眠りと同じですし、生まれることは朝の目覚めと、さほど大きな違いはありません。
 一日を終えて眠りにつく時に、今日の一日の充実を感謝し、一夜明けて今朝の目覚めを知り、新しく生まれ変わった自己を喜ぶことができる人は、真の幸せを知る人です。

 毎日、毎日、こんな気持ちで生きて行くことができれば、たとえ、二度と起きることのない死を迎えても、後悔することはない。
 坂口さんが、周りの人からその死を惜しまれていることを考えると、きっと、坂口さんは幸せな気持ちで死を迎えたような気がしてならない。
 きっと、そうだと思う。
 いや、そうであってほしいと願っている。
 合掌。

般若心経―人生を強く生きる101のヒント

般若心経―人生を強く生きる101のヒント