レンタルビデオショップと金融機関

 映画好きのunizouは、映画館でも映画を観るが、レンタルでも結構観ている。
 ということで、本当は映画のことを書けばいいのだが、今日は、以前レンタルショップ店の店主から聞いたレンタルビデオショップそのもののことを書きたい。
 レンタルビデオショップができたのは、いつ頃だったろうか?
 当初は、DVDでなく、ビデオテープのレンタルで、今のような大手系列のレンタルビデオショップでなく、個人がやっている小さな店が多かった。
 unizouが初めて利用していたのも、駄菓子屋のような店舗で8畳〜10畳くらいの店舗で、通路が2本4面で奥行き5mくらいだったと思う。本数も少なく、新作などは、そうなかったと記憶している。
 そんな小さな店舗から徐々に大きくなり、町のちょっとした本屋さんの広さ通路が3〜4本、6面〜8面で奥行き15mくらいになって、映画の本数もかなり充実した内容になったと思う。
 今では、店も家電量販店並みの大きさのTHUTAYA、ゲオ (GEO)やフタバ図書GIGA)などの大手ばかりになった。
 さて、今から、3年ほど前になると思う。群馬県の中部の都市のレンタルビデオ店の店主Mさんと、映画つながりで知り合った。
 商売というより、Mさんの映画好きが高じて、レンタルビデオショップを経営しているといった感じで、Mさんと奥様の2人と、アルバイトで営業していた。
 それでも、店の広さは、レンタルビデオショップ初期のようなお店でなく、町のちょっとした本屋さん程度の面積があり、商品も充実していた。
 しかし、Mさんと知り合った頃には、既に、大手ビデオ店が周囲に進出し、経営は厳しい状況になっていたようだ。
 ある時、Mさんからこんなことを聞いた。
 「しばらく前は、年末に在庫の仕入れを1,000万円程度しようとして、銀行に電話で借り入れを申し込むと、銀行員が、『2,000万円貸せますよ』と言ってくる。こちらも、よせばいいのに、借りられるんだったらとなって、2,000万円借りる。そういうことが繰り返されて、今では、5,000万円以上の借入残がある。その時の銀行借り入れは、信用保証協会の保証つきのもので、銀行にはリスクがなかったから、銀行もバンバン貸してくれたんだよね」と言う。
 それを聞いたunizouは、「財務内容のチェックやレンタルビデオショップの先行きについて銀行員から聞かれたり、話しあったりしたことがなかったの?」と聞くと、「ない」という。
 それから、しばらくして、Mさんは店を閉めて、破産手続きをした。
 店舗の賃料や消費税をずいぶんと溜めてしまっていたらしい。
 その後、2〜3カ月して、その後どうしているかと電話を入れた。
 「今は、福祉関係の仕事に携わっているよ。子どもたちも、すでに独立しているので、夫婦2人で食べていければいいから・・・。もっと早く事業を止めることを決断しておけば、借金を増やさずに、みなさんに迷惑をかけずに済んだのに・・・」と話していた。
 こういう話を聞くと、金融機関って一体何だろうと思ってしまう。
 すべての金融機関、すべての行員がそうではないだろうが、そういう傾向が強いのも事実だ。預るときはお客に平身低頭だが、貸すときは、所詮「人の金」の意識があるような気がしてならない。
 それに、unizouが思うに、金融機関も数が多すぎる。これだけ、ATMなどのオンライン化などのシステムに維持経費がかかると、小さな金融機関ではコストが高すぎる気がしてならない。金融機関の再編が、もっともっと必要なのだと。
 金融機関がきちんとしないと、世の中には不幸な人がたくさん出てくる。それを、肝に銘じて、金融機関はやっていってもらいたいと痛切に願っている。