振り込め詐欺と暴力団

 3月16日付読売新聞の朝刊に「暴力団幹部ら 巧みに若者集める」と題し、山口組暴力団幹部らの詐欺グループ13人が、高齢者などから総額10億円をだまし取ったとして、昨年8月から今年1月にかけ警視庁に逮捕されたという記事が載っていた。
 記事の最後には、老後の蓄えや親の遺産500万円をだまし取られた都内の女性の次男が、「私たち家族をいかに不幸にしたかを理解しているのか。母は自分を責め、すっかり疑い深くなってしまった。精神的な被害は消えない」と話したという。
 この詐欺グループ13人には、明治、法政、駒沢など有名私大生5人を、「物を受け取るだけの仕事」として巧みに仲間に引き入れ、犯罪に加担させていた。
 こういう記事を読むと、やはり、暴力団はダメだと思う。
 「弱きを助け、強きをくじく」なんて、昔話だと・・・。
 今は、「弱きをくじき、弱きをくじくだけ・・・」なんだと。
 そして、暴力団対策に怖い思いをしながら、真剣に取り組んでいる人たちに感謝と尊敬の念を抱きながら、今のままの暴力団対策でいいのか考えてしまう。
 しかし、暴力団対策を強化すればいいというのではない。
 世の中には、債権取り立てなど裁判に訴えると時間・費用がかかることや飲食店でのトラブルの仲裁を頼めるなどとして、暴力団暴力団員を肯定する人もいるが、1回頼めば、実際はそのつけは後々大きくなる。
 また、暴力団員の人権を叫ぶ人たちもいる。
 どんなことでも、暴力団を利用して解決するよりも、法の支配の下、自分たちの作った法によって解決されることが一番なのである。
 だから、子どものうちから、もっと暴力団暴力団員を否定する教育をすべきではないかと。世の中には、タブー視して踏み込めないとしている領域があるが、こういったことは、絶対必要なのではないか。
 例え、生徒の中に、暴力団員の子どもがいたとしても、である。

 暴力団員は、こういった事件を起こしても、潤うのは組織の中で一部の要職を占めている人間だけである。末端の組員は、ろくな生活をしていない。
 サラリーマン生活より、もっと悪く、辛い人生である。
 そして、暴力団員の子どもの人権を守るため、一緒に人権教育もする。

 WBCで、今野球が盛り上がっているが、準決勝に進出してきたプエルトルコは、こどもが犯罪に手を染めないようにするために、野球を奨励しているのだそうだ。
 子どものうちから、暴力団や組員を否定する教育をタブー視せず、しっかり行っていくことで、これから先数年後には、暴力団を頼む人もいなくなり、暴力団暴力団員も徐々に減り、最終的に無くなっていくのではないかと思うのだが・・・。