金利と老後の暮らし

 最近、「高齢の女性が集まると、『老後のことが心配で・・・』とか、『病気になった時の出費が、・・・』って話しばかりなのよ」と、知り合いのご婦人に教えられた。
 「年金だけで生活していくとなると、万が一のことを考えて、どこの家でも出費を抑えていかざるを得ないみたいね。それに、子どもも頼りにできないと、みんな思っているし、・・・」とも言っていた。
 また、「残りの人生の年数が決まっていて、特別な出費がないことがわかっていれば、蓄えをどんどん使う気もなるんだろうけど、どれだけ生きるかもわからないし、・・・。預けている預金の金利で旅行とかできればいいけどね。こう金利が低いとね、・・・。」とも。
 こういう話になると、「政府が年金額の減額、医療費負担の増加などにより、老後の安定した暮らしを奪ったせいだ」と言う人もいるだろう。ありは、「景気がよくなれば、解決する話しだよ」と言う人もいるかもしれない。

 経済学・経済政策で習う利子率、債券価格と投機的動機による貨幣需要

 A 利子率の上昇→債券価格の下落→投機的動機による貨幣需要は減少
 B 利子率の下落→債券価格の上昇→投機的動機による貨幣需要は上昇

 今は、利子率が下落しているから、Bの状態であり、貨幣需要が上昇しインフレ傾向になるということなのだろう。

 公定歩合は、平成7年に1%を割り込んでから、長い間1%未満の状態が続いている。
 しかし、景気は一向に良くならない。
 利子率を下げても、景気が良くならないのはなぜか、誰も教えてくれない。