運送業
ここ最近のガソリン代等の値上がりがすごい。
いくら円安傾向と言っても、常軌を逸している感じがする。
この状態だと、運送業の経営はものすごく大変なのではないかと心配してしまう。
全日本トラック協会では、毎年3月頃に前々年の運送業界の経営分析をホームページに掲載している。
経営分析報告書平成22年度決算版について | 全日本トラック協会
それによると、業界の9割を占める「50台以下の運送業者」の約6割が、営業赤字を計上しているという。
そうなると、ここ最近の状況は、さらなる営業赤字を計上してしまう大打撃になるだろう。
運送業界は、この難局をどう乗り切ればいいのだろうか?
元々、「50台以下の運送業者」の6割が赤字なのだから、現在の燃料高騰が経営にかなりの影響を与えたとしても、本質的な原因は別にあるのだろう。
元々、運送業は、参入しやすい業種である。
社長になった多くの人が、運転手から身を起こし、お金を貯めてトラックを買い、そして、徐々に台数を増やしていったという経歴を持っている。
裸一貫から始める仕事としては、入りやすいのである。
しかし、起業後は、そう簡単にいかない。
昔と違って、物流の効率化を図らないとやっていけない。
片荷輸送では、コスト割れになる。
特に、燃料費が高騰していれば、なおさらでる。
帰りの運転は利益にならないのに、運転手に賃金を払わなければならない。
コスト割れによる経営危機のリスクは、一層高まる。
とは言うものの、片荷輸送の解消などの効率化だけではこの危機は乗り越えられないだろう。
業者の統合により、せめて50台以上の規模で事業展開をしないと、今後の円安による燃料の高騰による経営危機を乗り越えることは難しいのではないかと思っている。