格差社会の原因(1)

 格差社会と言われて久しい。
 しかし、貧しくても、それなりの生活ができれば良いと思うunizouは、「格差社会」という言葉にいつも違和感を覚えている。
 世の中は、様々な職業の人たちが、地道に働き、得た収入の中でそれなりの満足を得て生活している。
 それぞれの仕事に貴賤はなく、人格を否定されることも、個人の尊厳を奪われるようなこともないはずである。
 だから、問題の本質は、「格差」ということより、低所得で生活できない世の中の仕組みにあるのではないのだろうか。
 政治家は、個別的なことを訴えても、「この国にいればどういう生活ができるのか」ということは何も示してくれない。
 政策は、いつもころころ変わり、信頼ができないことばかりである。
 負担と給付も、世代間で大きく異なってしまった。
 さて、平成23年のサラリーマンの平均年収は、409万円だそうだ。
サラリーマン平均年収の推移(平成26年)-年収ラボ
 409万円だと、1カ月約34万円になる。
 そのうち、平均家賃5.4万円、中学生の子どもが2人いると、約12.5万円程度の支出で、収入の52.6%と約半分以上が住居費と教育費である。
http://www.pbn.jp/useful/rent_trand/1212.html
http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/data/kokusai/__icsFiles/afieldfile/2010/03/30/1292096_01.pdf
 平均年収の人たちでこういった状態なのだから、さらに低所得の人たちにとっては、その負担は重くなる。
 なぜ、住居費や教育費がこれほど高いのだろう。
 住居費は、土地政策によるところが大きいと思う。
 この問題に関しては、国会議員も地方議員も、戦後60年以上経つが何の対策もしてこなかった。
 土地が高いのは、「国土が狭く、人口が多いから」としか説明されず、受け入れざるを得ないと思いこまされてきた。
 そして、安い土地を求めて郊外にまで開発は進み、新幹線や飛行機、高速道路などで移動しながら見る風景は、手足を伸ばして寝転んでいるように広がるスプロール化(無秩序に拡大)そのものの国土である。
 また、スプロール化によって、都市整備に掛かる負担はどんどん大きくなる。
 その負担が、また、国民にのしかかる。
 土地の問題は、権利関係が複雑に絡むため、手をつけづらい問題であるが、この国に住めば、一生懸命働いてさえいれば、誰もが安心して生きられるようぜひ取り組んでもらいたいと願っている。(続く)