生と死

 死は、小さいころから怖かった。
 小学生の高学年の頃だったともうが、「死ってなんだろう?」、「死んだらどうなるのだろう?」とか「生きている意味ってなんだろう?」と、夕焼けや夜空の星を眺めたりしながらずいぶん考えていた。
 友人Kの母親は、ずいぶんタフな人で、甲斐性のないKの父親が生きていた時も、死んでからも、女手一人で必死にKと2人の弟たちを育て上げた強い人だった。
 そんな、Kの母親も、「死にたくないねぇ・・・」、「死ぬのは嫌だねぇ・・・」と元気な時だった時でさえ、いつもKに言っていたという。
 そんなKの母親も、KやKの弟たちに何の苦労も掛けずに、「本当にあっけなく亡くなった」とKから聞かされた。
 あんなに強いKの母親が、死を怖がっていたのはなぜだろう?
 死を嫌がっていたのは、なぜだろうと考える。
 日本の自殺率を平成24年で国際比較すると、第8位という。10万人で24.4人の自殺者がいるそうである。
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 最近では、「いじめ」、「体罰」などで自殺するニュースが大きな問題となっていた。
 そして、次のようなニュースが入ってきた。

 14日午後4時25分ごろ、大阪府大東市野崎1のJR片町線野崎駅構内で、線路内に立ち入った男児同志社前発宝塚行き下り快速電車(7両編成)にはねられ即死した。
 府警四條畷署によると、同市内に住む市立小学校5年生の男児(11)で、自殺とみられる。
 現場近くには、男児が通う学校の統廃合中止を求める遺書らしきメモが残されており、同署や市教委で詳しい動機などを調べる。
 市教委によると、市立小学校統合実施計画に基づき、同校は今年4月、近くの学校に統合され、2月17日に閉校式の予定だった。遺族によると、遺書らしきメモには 「どうか一つのちいさな命とひきかえに、とうはいごうを中止してください」と記されていた。

 「小学校の統廃合」の問題で、小学校5年生が自らの命を絶ったという。
 「なんて愚かな」とつくづく思う。
 人は、一生かかっても、生きる意味も、死ぬ意味もわかりえない。
 大事なことは、自分の生きる意味、死ぬことの意味を考え続け、毎日生きることの怖さ、死ぬことの怖さと闘いながら、愚直に生き続けることが大事なのだと思う。
 小学5年生の男子生徒が、簡単にいのちを捨てたことは残念でならない。
 彼は、何を見たのだろう?何を見出したのだろう?
 きっと、何の答えも知りえなかったはずだ。それは、誰もがそうだから・・・。
 ただただ、残った周りの人に悲しみを与えただけで、彼のいのちははかなく消えた・・・。