露天商に見る規制緩和と公正な社会

 祭礼や縁日などの行事で、寺社の参道や境内または門前町で、露天商が見られないということは少ない。露天商が、祭礼や縁日を盛り上げる役を担っていることも事実なので、それを否定する気持はない。


 しかし、彼らが正しい税負担をしているのか、いつも疑問を抱いている。
 例えば、露店でじゃがバターを買っても、彼らから領収証書をもらうことはない。
 コンビニでも、衣料品店でも、スーパーでもデパートでも、必ず領収証書(レシート)はもらえるのに、彼らからもらえることはない。


 領収証書は、なぜあるのか?
 領収証書(レシート)は、受け取る側には、個人が家計簿をつけたり、会社や個人事業主が必要経費として支払ったりした場合は別だが、さほど重要なものではない。
 特に、露天商から事業に必要なものを買ったり、交際費として露天商を使ったりすることはあまり考えられないから、もらえなくても支障がないのが事実である。

 しかし、露天商側はどうか。
 領収証書(レシート)は、もらう側ためだけにあるのか?
 そうではない。
 領収証書(レシート)は、売上を計算するためにも必要なのである。
 だから、コンビニでも、衣料品店でも、スーパーでもデパートでも、領収証書を渡す。


 では、領収証書を出していない露天商は、どうやって正しい売上を計算しているのか。
 おそらくどんぶり勘定なのだろう。
 ということは、正しい税負担をしていないことになるのではないか・・・。


 最近、経済財政政策担当大臣、金融担当大臣、総務大臣を歴任した竹中平蔵慶應義塾大学グローバルセキュリティ研究所所長が、テレビ出演して規制緩和や経済再生について語る姿を良く見かけるようになった。


 自由な経済システムを構築するために規制緩和自体には大賛成のunizouなのだが、その前にやるべきことは、税の徴収を公正にするシステムの構築だと常々考えている。


 前置きで話した露天商のように、売上が捕捉できない業種、個人の交際費を事業の経費に付け込んだりするケースなど、一応の税負担はしているものの正当な税負担をしていない状況では、フェアな競争とは言えない。また、消費税の低所得者への税負担の軽減や生活保護などの給付、公営住宅への入居時の所得の把握など、所得によって負担を軽減することも、不公正な税負担の下では、公平な処理はできないだろう。


 ぜひ、規制緩和と同時に、税負担の公正を期すシステムを構築してもらいたい。
 そうすることによって、本当に頑張っている人が尊敬され、弱者が保護される世の中になると堅く信じている。