資金繰り表

 中小企業診断士を目指している方は、中小企業庁が出している「中小企業の会計」を見たことがあるだろうか。
 これが、お役所の冊子だからと馬鹿にしてはいけない。
 素人でも簡単で分かりやすく、手ごろなフリーペーパーなのである。
 unizouも、いろいろな機会に利用させてもらっている。

 例えば、Q1に、「会計とはどんなもので、なぜ必要なんですか?」とある。

 会計は、会社の経営状況を、お金(金額)というものさしで表現することです。そして、経営者が自社の経営成績や財政状態などを知るため、また、会社の経営状況を金融機関、取引先、税務署などの会社の外部者に説明したり、報告する上で必要になります。

 そして、「会計の流れ」や「決算書のしくみ」について、説明している。

 「中小企業の会計に関する指針」の内容を個別に見、「中小企業の会計に関する指針」を事業に活かそうと続く。


 そういった「中小企業の会計」の中で、特にunizouが事業者に勧めたいのが、「資金繰り表」の作成だ。


 以前、unizouはたくさんの決算書をみたことがあると書いたが、決算書を見るときにその事業者と話すと、「決算書は税理士が作っているため内容を知らない。資金繰り表は作っていない」と答える人が多く、愕然とさせられた。
 社長さんの中には、「頭の中でやっているよ」とか、「大体の入出金をメモに書いて。計算している」と答える人もいるが、「資金ショートせず、良く経営できるな・・・!?」と思うのである。


 決算書がわからない代表者は、仕方ないにしても、「資金繰り表を作っていないで良くやっていけるな」というのが、unizouの率直な感想である。
 決算書が大事なのはわかるが、実際は、決算書を知らなくても、日常業務の中での切迫性はない。

 以前も紹介したが、「借りる技術返す技術―元銀行融資担当が教える資金繰り (単行本) 小堺 桂悦郎 (著) (フォレスト出版)」にあるように、社長の仕事は二つ、「売上アップ」と「資金繰り」なのだ。
  

 しかし、実際に資金繰り票を作成するとなると、大変なことだ。
 
 そこで、「中小企業の会計」の「資金繰り表を作成してみよう」を示して、「家庭でも急な出費があっても困らないように家計簿を作ってやりくりをするでしょ。会社なら、家庭での数万円が、何十万、何百万円になって、簡単に用意できないことになれば倒産ですよ!!」と教えている。
http://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/kaikei/pamphlet/2011/download/kaikei_2011_02.pdf
 

 ぜひ、中小企業診断士の皆さんは、せめて、資金繰り表の作成を勧奨して、戦略的な資金繰りができるよう、中小企業の皆さんを指導してもらいたいと常々思っている。