都市計画と007スカイフォール

 何十年も変わらない街並み。
 遅々として進まない都市整備。
 多額の補償を受ける収用事業。
 都市計画は、防災にも、環境保全にも関係する重要な問題である。
 都市計画の問題が解決しないのは、政治家のリーダーシップがないからだ。


 unizouは、映画が好きなので年間30本前後の映画を鑑賞する。
 最近では、昨年末に「007 スカイフォール」を鑑賞した。
 映画は十分堪能できたが、unziouが映画の内容とは別に気になったのが、題名にもなっている「スカイフォール」という場所である。
 スカイフォールは、スコットランド・グレンコウの今は住む者のない007の生家である。007は、Mを護衛し、敵をおびき寄せるために、スカイフォールへ行く。

 これが、まったくと言っていいほど、何もない場所なのである。そして、そこに行くみちすがらのロードサイドも、店舗も何もないのである。自然のままの姿で残されている。
 昔行ったニュージーランドもそうだった。町と町の間の道路沿いには、本当に何もなかった。

 日本はどうだろう?
 町は拡散し、町と町の間の道路は、やたら店が軒を連ねている。
 さらに、そうした場所では、シャッター通りならぬ、シャッター街道がいかに多いことか。
 「日本は土地がない」と、子どものころからずっと教えられてきた。
 しかし、日本(377,914km2、377,914km2)が狭いと言っても、イギリス(244,820km2、61,565,000人)やニュージーランド(268,680km2、4,445,436人)に比べれば広い。


 では、なぜ、こういったスプロール化現象が起こるのか。
 unziouは、都市が都市としてきちんと整備されていないからだと思う。


 例えば、駅の周辺は、整備に税金がたくさん使われている。
 つまり、多額の投資をしている場所である。
 しかし、実際は、戸建の住居や低層のビルが乱立する中途半端な状況で、利用率は低い。


 駅周辺など多くの人が利用し、整備に多額の税金を使っているような場所は、それ相当の利用がされるべきである。
 東京駅の復元工事費500億円が、空中権で賄われたのをご存じだろうか。
 空中権とは、未利用の容積率を移転する権利である。都市計画で定められた容積率(建物の敷地面積に対する総床面積の割合)のうち、未使用のものを他の土地に移転する権利をいう。


 駅の周辺地域は、空中権を含めた固定資産評価額にし、利用の促進を図るべきなのだ。
 土地所有者に「私の権利よ」なんて言わせず、多額の税金を整備に使っている公共的な土地は、たくさんの人が利用できるよう制限を加えるべきなのだ。


 そして、郊外は、環境を守るためにできる限り開発しない工夫が必要である。
 開発して野ざらしになるようなことがないように、固定資産税を高くする。要は、産業廃棄物になった建物のリサイクル費用を確保できるよう固定資産税を高くするのだ。
 そういったことまで考えないと、次世代の人たちに、確かな大地をつなぐことができないと、unizouはずっと思い続けているのだ。
 以前から、未来を思考する確かな政治家にやってほしいと思っていることである。