シャッター通りと都市計画

 昨年末の12/30(日)にTBSの番組「報道の日2012 第一部 サンデーモーニング年末スペシャル 〜ニッポンはよみがえるか?」で「商店街再生の新戦略」として、高松丸亀町商店街が取り上げられていた。
 地権者の同意を得て、商店街を再開発し、活性化を図るという手法で、とても地道で継続的な努力が必要なやり方である。この手法を主導した人たちのご苦労は、相当なものだったと思う。


 まちなかポータルサイトポータルサイトを見るhttp://www.machinakasaisei.jp/project/casestudies/kagawa01.htmlと、「事業遂行上のキーパーソンとして、丸亀町商店街振興組合鹿庭理事長、明石常務理事と(株)まちづくりカンパニー・シープネットワーク代表取締役の西郷氏、千葉大学工学部福川教授らの長期的なまちづくりへの取組みが奏功した」とある。


 unizouは、日本人の土地への執着心はものすごいと思っている。
 例えば、本気でやりもしていない農地を、「先祖代々の土地だから・・・」と言って、耕作もしないのに、人に渡すこともせず、仕舞いには、簡単に大手アパート建設会社の口車に乗って、アパートを建ててしまう。そのうち、採算がとれず、手放してしまう。
 自分は遠くに離れていて住みもしないのに、親が死んで誰も住んでいない家を高くなるまでと考えて、草刈もせずに放置している人。こういったことは、昔できた○○ニュータウンに多いそうである。
 これからは、少子高齢化の影響で土地も余り、アパートをあんなに一杯建てても、そのうち入居する人がいなくなる。
 

 なのに、未だに日本人の間に土地神話は生きている。
 unizouは、土地は預かりものだと思っている。そして、みんながそう思って、大切に使って欲しいと・・・。
 以前も、2006-09-15 諸悪の根源 土地神話諸悪の根源 土地神話 - unizouの中小企業診断士への道と題して、トルストイ民話集「イワンのバカ」【中村白葉訳:岩波文庫】の「人にはどれほどの土地がいるか」という作品を紹介した。 

 日の出から日没まで歩いて囲った土地だけすべてもらえることになった農夫が、強欲のために歩き続けて、ゴールしたときに息絶えて死んでしまう。
 死んだ農夫に必要だったのは、頭から足まで入る墓穴だったという話。


 確かに、丸亀町商店街のように地道にやっていくことにも意義があるかもしれないが、スピード感のないやり方では、国全体の土地が荒廃していき、環境に良くない。


 市街地は効率化やコンパクト化を目指し、郊外は開発せず自然を残すような取組が、これからの日本にも地球にも必要だと思うのである。
 そのために、行政はもっと、公共的な土地の使い方に、支援をすべきではないか。
 政治家もこういったビジョンを提言すべきではないか。減災にもつながる都市づくりにも繋がるはずだ。
 そして、中小企業診断士もこういったに、大きく関わるべきなのではないか。
 unizouは、そう思うのである。