農家補償1兆円

 民主党が選挙公約に掲げた「農業者戸別所得補償法案」を、以前からunizouは問題視していた。
 その件について、11月2日の読売新聞に「『農家補償1兆円、積算根拠ない、確保宣言だ』…民主法案」という見出しで、民主党の「農業者戸別所得補償法案」について、参議院農林水産委員会で1日から審議が本格的に始まったという記事が掲載された。
 答弁者席に座った民主党平野達男氏が総額1兆円の補償額について「積算根拠はない。(農業振興に)1兆円は確保するという宣言だ」と述べたという内容だった。
 全くこんなやり方で、安易に税金が使われていくのかと思うと、腹立たしくなる。
 この件に関し、質問に立った山田俊男氏(自民)が「ともかくアドバルーンだけあげた法律ということか」と批判したというが、当然のことである。
 民主党の法案は、コメ、麦、大豆などの農産物を対象に、販売価格と生産費の差額などに配慮して戸別の農家に補償するといった内容だったが、補償額の総額を1兆円とした根拠を、平野氏は「1兆円という額は必要というところからスタートした」と答弁し、農林水産省の生産農業所得統計で、農家全体の所得が1994年の約5兆1000億円から2004年に約3兆3900億円へ減少していることを発想の出発点としたというから、小学生でもそれならできると呆れてしまう。
 そして、財源についても「農水省の予算約2兆7000億円の中からは難しい。確たるものは決めていない」と答えているというから、民主党大衆迎合的な公約を掲げたのだと改めて認識させられることとなった。
 unizouは、甘い言葉やただほど恐い物はないと思っている。
 何よりも今の日本を見てみればわかるとおり、戦後ずっと甘いことばを言われ続け、「ただだから・・・」と言われて金銭(補助金)をもらい保護を受けきてしまった挙句に、いつの間にかその負担を自分たちでしなければならず、 そしてなお悪いことには、多くの人たちが自立した生き方をできない状態になってしまっていたことだった。
 それは、農業だけでなくあらゆる業種に言えることだったと思う。建設、土木、酒の小売、街中の商店街など、政府の保護の下に生きてきたせいで、世の中が変わったとたん、立ち行かないところが多くなったのだ。
 民主党は、戦後の政治から決別すべき新しい政党だと思っていたが、自民党より旧態依然とした政党に成り下がってしまったのか?という感じである
 農家全体の所得が1994年から2004年に1兆円減少したということを根拠にしたというが、そういったことは農家だけでなくそれ以外の業種でもたくさんあることだ。
 では、そういうところは補償しないのか?もし、農家の所得補償をするなら、片手落ちではないのか?
 農業を一生懸命やっている人たちにきちんと報いるためには、農家補償など不要なのだ。
 一生懸命にやっている人たちに報いるには、そういった人たちが残る仕組みにすればいい。
 真面目にやる気もないのに、ただ「先祖代々の土地だから・・・」と農家を続けている人には農業というスクエアから退場願って、真に必要な人たちに使ってもらうのが一番いいことだと思っている。
 日曜日に、民主党の小沢党首が、「代表を辞任する」というニュースが流れた。
 自民党民主党も、誰がなっても同じという気がしてきてむなしいが、誰か父のような厳しさと母のような優しさを持って政治ができる救世主が現れないかと秘かに願っている。