社長の会社私物化への対抗

 社長の会社私物化への診断士としてのアドバイスを、診断士になっていないunizouがブログに書いた。
 でも、実際のところ、もしunizouが診断士になれたとして関与できる中小企業は、日本全国にある数社から数十社にしか過ぎない。
 だから、一人unizouがそういったことをしていて、たとえそのことを理解してくれた社長が、きちんとした経営を行っても、今の制度の中ではそのために競争に勝ち残れないケースだってありうる。誠実に、正直にやっている会社が馬鹿を見ることは、今の世の中、いくらだってあるのだ。
 では、どうしたらいいのか。
 それは、本当は至極簡単なことである。
 社長による会社の私物化が起らないように法律を整備すべきことと、それをしっかり守るように中立公正な立場で行政が監視することである。
 これも、ずいぶん以前のことになるが、ある運送会社の決算報告書を見たとき、車両の原価償却費が計上されていないことが一目瞭然だった。

 「車両の減価償却費は計上していないようですが、・・・」
 「あっ、そうですね。すみません。産業廃棄物の免許更新に赤字の決算報告書では、更新ができないのです。だから、減価償却費を載せていないんです。すみません。」
 「それって、粉飾ではないのですか?」
 「・・・。そのとおりです。」
 これは、一緒に来た税理士氏の回答。

 こういったことは、大企業で上場されている企業なら、大変な騒動になるが、上場されていない、家族や親戚が株主の中小企業で問題になるわけがない。
迷惑を被るのは、騙されてしまう金融機関や取引先などである。そして、一番可哀想なのがそこに努める従業員である。
 聞いてみるとそういった会社は、必ず源泉所得税や消費税を滞納しているという。
 産業廃棄物の免許更新をする官庁の部署(環境課、産業廃棄物指導課など)だって、決算報告書を見ているし、源泉所得税や消費税を滞納していれば、税務署の職員だって決算報告書を見るケースだってありうる。
 であれば、そういった粉飾決算書を作成している中小企業が市場から退場し、公正な競争市場を実現するために告発をすべきではないのかと思う。
 そんなことを数日考えていて近くの本屋に違う本を探しに行っていたら、目に留まったのが「会社法はこれでいいのか」という平凡社新書から出版された浜辺陽一郎さんの本。
本の「はじめに」には、こう述べられている。

 しかし、それから時間が経過するにしたがって、この会社法が、まさか!と思うような、さまざまな問題をはらんでいることが、次第に明らかになってきました。

 連休中に読んでみて、会社法をじっくり考えてみようと思う。
 ただし、試験勉強はおろそかにしないよう、頭の体操程度に・・・。