会社の私物化に対する診断士としてのアドバイス

 先日「会社の私物化」について書いたところ、受験評論家さんから次のようなコメントをいただいた。

 unizouさんの言っていることはその通りなのですが、社長に何とアドバイスしますか?小生なら非常に悩みます。社長が受け入れてくれる提言をしなければ、単なる外野のたわ言に過ぎないのですから。

 今日はそのコメントについて、診断士になっていないunizouがunizouなりに考えたアドバイスを書きたいと思う。
 まず始めに伝えたいことは、「会社経営とは何か?」について

  • 会社経営の妙味は、どれだけの経費でどれだけのこと(売上、しいては利益)が生まれるかということです。どれだけのことをしてどれだけの利益が生まれるかの因果関係がわからなければ本当の意味での会社経営の妙味は味わえません。そういった結果を知るためには、自分のことと会社のことはしっかり区別する必要があります。今みたいに、お手盛り役員報酬を決めたり、自分のために交際費などの経費を使ったりしているようでは、本当の意味での会社経営の妙味は味わえません。

 次に「会社とはなにか」

  • 会社となった以上、会社は社長のものではありません。

 会社は従業員やその家族、取引先、そして消費者のものです。会社になった時点で多くのステークホルダーを抱えているわけで、社長さんが好き勝手なことをしていては会社とは言えません。社長としては、そのことを踏まえて小さなことまで、会社と個人を区別して経営に当たるべきです。
 そして、「会社経営のご褒美とはなにか」

  • 会社経営のご褒美は、具体的なものとしては役員報酬です。これは、会社の規模や実績から判断すべきです。また、会社の資本を出資していることについては、利益からの配当に寄るべきものです。また、役員報酬や配当以外にも、会社と個人を区別して経営に当たることで得られるご褒美はたくさんあると思います。これは、精神的な面、名誉や徳でしょうか・・・。だから、しっかり会社と個人を区別して経営に当たってください。

 以上のようなアドバイスをしようと思う。
 しかし、これは相手のあること。受験評論家さんのいうように、「単なる外野のたわ言に過ぎない」ということになるケースだってないとはいえない。ないとは言えないというより、多いかもしれない。
 でも、今のunizouの仕事でも同じようなケースはたくさんある。
 相手が受け入れてくれるかくれないかに関わらず、それでも言い続ける必要がある。
 人は、それぞれ違った過程で気がつくのだ。
 最初に会った時点で気づく人。
 しばらくして気づく人。
 最後の最後に気づく人。
 最後まで気づかない人。
 相手が受け入れるか受け入れないかで仕事をしていたら、「こんな楽な教科書どおりの仕事は誰でもできる」と、もしかしたら診断士になる気がなくなってしまうかもしれない。
 今の仕事でも、すぐに相手が納得してくれるようなこともあるが、そうでない相手に理解してもらえた喜びはひとしおなのだから・・・。