黒ブーム到来

 10月に入ってめっきり肌寒くなってきた。あの猛暑はどこへいったのか。
 コンビニの菓子売場も秋冬商戦に入った感がある。
 そんな中、やけに目立つ色がある。
 それは「黒」。
 これまで、明るい色が当たり前と思われていた食料品や日用品のパッケージに真っ黒な新顔が相次いで登場しているのだ。
 高級なイメージのある黒毛和牛や黒豚といった食材、健康に良いイメージのある黒豆、黒ゴマ、黒砂糖や黒酢などの食材、除菌や消臭などの機能性が評価されている炭を使った製品などの進出を背景に、黒という色の印象が好転してきたのかもしれない。
 これまで黒色商品の代表選手と言えば、眠気覚まし商品だろう。
 日頃お世話になっているロッテガムの「BRACKBRACK」、明治製菓のキシリッシュハイパークールもパッケージは黒だ。
 面白いところでは、衛生用品メーカーのオカモト(東京)がこの8月に発売した使い捨てカイロ「黒の快温くん」だ(http://www.yomiuri.co.jp/komachi/news/mixnews/20070925ok02.htm)。
 「従来の真っ白なカイロでは、濃いめの色の服を着た時に目立つので困る」という声が、女性を中心に寄せられたのがきっかけで開発された商品で、スーツの上着の内側に張る男性も想定した。
 化粧品企画販売会社のラブラボ(東京)が8月に売り出したシートマスク「黒薔薇(ばら)仮面」も、真っ黒。目や口などをくりぬいた紙製のマスク自体に炭を練り込み、染みこませている美容液にも黒砂糖エキスなどを配合している。この手の商品では、既に花王が「ビオレ 毛穴すっきりパック 鼻用 黒色タイプ」が発売済みである。
 このほか綿棒、トイレットペーパー、入浴剤など、白や明るい色が主流だった日用品にも近年、真っ黒な新製品が登場しているという。黒い製品・商品ばかりを扱った販売サイトもある(http://www.e-kuro.jp/)。
 黒星や葬祭といったマイナスのイメージから変わりつつある商品イメージ、時代のニーズはだからこそ追求するのが面白いのかもしれない。