ワーク&ライフバランス2

 昨日まで2泊3日で、松本・大町と出張した。
 1、2日目、2日目の夜から3日目と一緒に同行した社員が入れ替わり、仕事をすることになった。
 2日目の夜から3日目に一緒に仕事をした社員のH君は、他支店から半年間応援に回ってきた社員。
 幼い子ども二人を抱えて、配偶者も同じ会社の社員で共働きをしている。
 うちの支店にきてから、数ヶ月たち、今までの仕事ぶりも真面目でほかのメンバーとも打ち解けて仕事をして、仕事の内容も板についてきている。
 宿に着いてから、宿の中のカフェで飲みながら食事・・・。
 「どう、こっちの支店の仕事は・・・?もし、希望するなら、半年終わって、機会があったらまた戻ってきたら?」
 「ええ、この支店の仕事は初めての経験で面白いんですけど・・・」
 「なら、希望してみれば・・・。」
 内部の事務を中心に仕事をしてきたH君に、外を回ることの多い今の仕事はいい経験だと思い勧めてみたのだ。それに、うちの支店の仕事を希望する社員も多く、実際かなりの競争率である。希望してすぐやらせてもらえる仕事でもないのに、こうして経験しているH君はラッキーな社員。
 それに、子どもを保育園に通わせながら仕事をするのは大変だけど、夫婦二人で協力しながらうまくやれば何とかなるという思いもあった。
 しかし、H君の答えは意外なものだった。
 「ええ、仕事的には面白いですし、メンバーにも恵まれているのですが、できれば、内部の仕事で自分の自由な時間があって、残業もしたくないんですよ。できるだけ、家に近い方が・・・。」
 この答えを聞いて、むっときたunizou。年の若いH君にかなり大きな声で持論を展開してしまったのだ。
 「誰も今いるメンバーで、『自由な時間がなくていい』とか、『残業が多くて構わない』なんて思っている人はいないよ。やらなければいけないと思うことをきっちり終えて一日一日を過ごしてるだけだもの・・・。結果的に残業しなければいけないケースもあるけど、みんな自分のことや家族と一緒にいる時間も大切にしてるよ。それよりも、自分の持っている力を発揮できるようにするには何をしたらいいのかって、考えたほうがいいんじゃないの・・・」
 そして、酔いも大分まわってきた頃、H君には迷惑だったかもしれないが、2つのことを話した。
 ブログ2006-02-23 「『今』を精一杯生きる」http://d.hatena.ne.jp/unizou1972/20060223に書いたこと。

 人の生き方は、人それぞれでいいのだと思う。以前、unizouが受けたライフプランの講師は「見つめよう自分!見つけよう自分」と言っていた。
 いくつになっても、どんな状況になっても、知らない自分を発見し、自分のいる場所を自覚して生きる。所詮、何もできない自分に落胆しつつ、少しでもできたことに喜びを感じて生きる。

 そして、もう一つ。
 ブログ2006-12-12 「背負っているもの」http://d.hatena.ne.jp/unizou1972/20061212で書いたこと。

 以前、栃木県栃木市を仕事の関係で訪ねたとき、栃木駅の構内にある山本有三の文学碑を書き留めたことを思い出した。
 それは、山本有三の「路傍の石」の文章・・・
 「たったひとりしかない自分を、たった一度しかない一生を、ほんとうに生かさなかったら 人間生まれてきたかいが ないじゃないか」 
 どんな風に生きても、自分の、そして、たった一度しかない人生なのだから・・・。悔いのないようにやり続けようと思う。

 確かに今は子育てで大変かもしれない。でも、子育てのライフステージもいずれ終わる。
 父親でも母親でも、人生は子どものためでも、配偶者のためなく、それぞれ自分のため。自分を生かして周りの人に喜んでもらえるなら、生まれてきた甲斐があるというもの。それが、結局自分のためでもある。
 子どもとのかかわり、配偶者とのかかわり、社会との関わりは、ライフステージごとに、そのバランスが微妙にかわるだろう。それをうまくこなしながら、自分を持って生まれた体や心を生かして生きたいと、H君に話しながら、自分に語りかけていた。