有言実行

 ブラジルはリオデジャネイロで開催していた世界柔道
 井上康生鈴木桂治が、ともに不可解判定のもと、2回戦で姿を消し、日本の「柔道」が世界の「JUDO」になるにつれ、国内ルールと国際ルールにかなり開きがあることを感じざるを得なかった本大会。
 北京への大きな課題を残した。
 そんな中、最終日の16日、女子48キロ級で谷亮子トヨタ自動車)が2大会ぶり7度目の優勝を果たした。前回のカイロ大会は出産のため欠場だったが、出場大会としては7度の連続優勝となる。そして7度の優勝は、世界選手権で男女を通じて最多だ。
 谷選手が国際大会に復帰したのは、アテネ五輪の金メダル以来約3年ぶり。
 復帰戦に相応しく、3回戦は五輪の決勝で対戦したジョシネ(フランス)、延長の末に優勢勝ち。
 4回戦は若手伸び盛りのゴージュコン(中国)、延長の接戦を優勢で際どく制した。
 準決勝ではヨーロッパチャンピオンのドゥミトル(ルーマニア)、決勝は、谷不在の前回大会金メダリスト、ベルモイ(キューバ)、いずれも優勢勝ちだった。
 「ママになっても金」という言葉とおりに結果をだした。
 これまでの経験を活かせるときが来たとばかり、「対応力と適応力。それが私の柔道。」と言いきる谷選手。
 彼女の尊敬すべきところは、インタビューでの様子、いつも自分の努力に対するコメントではなく、周囲の人への感謝の言葉で綴られることだ。
 世界一になるため、並大抵ではない努力、練習を積んでいるにもかかわらず、彼女の言葉は、「皆の声援が力になった、応援してくれる全ての人に感謝したい。」である。
 本当に頭が下がる。
 五輪まで1年を切った。五輪3連覇に向けて、心から応援したい。