そして誰もいなくなった

 安倍首相の突然の辞任。
 与党も野党も、これほどまでに人の足を引っ張るようなやり方をしていいのだろうか?
 これこそまさに、いじめ・・・?
 確かにリーダーシップに欠けるとか、若いとか、いろいろと欠けているものはあるだろう。
 かといって、ほかにクリーンな人がいるのか?もっと、ダーティーで、保守的で、以前のように、資産を持っている人やコネのある人にばかりに肩入れするような世界を作り上げようとする人ばかりではないのか。
 郵政民営化に賛成する理由は、特定郵便局の局長の多くが世襲であったことに尽きる。
 道路公団の民営化や高速道路の建設に改革を求めたのは、公共工事などで潤う人たちが特定の人間に限られていたことに尽きる。
 独立行政法人の統廃合も、一部の公務員の天下り先になって、国家の財政を食い物にしてきたことに尽きる。
 今まで安倍首相に批判をしてきた人は、そういったことに絡んでいる、いわゆる族議員と呼ばれる人たちではないか。
 人の失点ばかりをあげつらい何もしていないどころか、もっと悪いことに、口では「国民全体のために」とか「弱者のために」と言っておきながら、本当は一部の人たちのために働いている人たち・・・。
 与党である自由民主党にも期待できず、かといって民主党にも期待できない。
 何しろ小沢党首は、昔見た1枚の写真でどうしても支持できない。
 その写真は、小沢首相が応接に座ってタバコを吸おうとしているところに、側近の議員か支持する議員が、まるでナイトクラブで店の女性が床に跪いてたばこに火を点けようとしているようにしてライターを持って火をつけようとしている姿だった。
 何だかそんな写真を見たら、人間的に小沢党首の傲慢さが垣間見えて、嫌になった。
 もう、この国には、この国を救える人が、誰もいなくなったのかもしれない。
 診断士の資格試験の企業経営理論では、“新規参入”、“参入障壁”という言葉を必ず聞く。
 この世の中は、誰にでもチャンスがある自由がなければならない。
 やりたいと思えることに、以前からやっている人たち同様に、参入できるというように。
 そういった世界を作るためには痛みを伴うのだとしたら、政治に携わる人たちには、詭弁を使わず、痛みがあるということを正直に話して、「耐えるべきところは耐えて」と正直に言ってくれる人がいい。始めはいいことばかり並べられて、しっかりあとでその負担をさせられるようなことは真っ平御免である。
 unizouも含めた日本の国民は、大統領就任演説でケネディ大統領がスピーチした「そして、わが同胞のアメリカ人よ、あなたの国家があなたのために何をしてくれるかではなく、あなたがあなたの国家のために何ができるかを問おうではないか。わが同胞の世界の市民よ、アメリカがあなたのために何をしてくれるかではなく、われわれと共に人類の自由のために何ができるかを問おうではないか。」*1という言葉を噛みしめて行動すべきなのだと、痛切に感じている。

*1:katokt訳(katoukui@yahoo.co.jp)【http://hw001.gate01.com/katokt/inaugral09.htm#_Toc517502084】