夕張夫妻

 今夏がこれほどの猛暑に襲われるとは思っていないまだ夏の入口だったころ、北海道に住む知人から夕張メロンを5つ箱詰めでいただいた。
 2、3日後には芳醇な香りが明かに感じられ食べごろを迎えた。ジューシーな赤肉を頬張るのは、これ至福の時なり。
 夕張メロンのふるさと、夕張市は目下財政再建中。その夕張市で観光施設を運営する夕張リゾートが観光客の増加を目的として、そのPRキャラクターが紹介された(http://www.nishinippon.co.jp/nnp/lifestyle/20070907/20070907_003.shtml)。
 担当したのは、広告会社の「ビーコンコミュニケーションズ」(品川区)。
 財政再建団体という負のイメージを逆手に取り、さらに「愛のまち」として定着させることを目的とするそのキャラクターは、その名も「夕張夫妻」。
 353億円の負債と夫妻を掛けたもので、二人の座右の銘は「金はないけど愛はある」だそうだ。
 自虐的なネタであるゆえ、ブラックジョークではないかと苦笑してしまうが、夕張市は真剣だ。
 考案者の三寺雅人さん(31)も、「キャラクターはどこかにとがったところがなくてはいけない。夕張は負であることが特徴。隠すよりも前向きに活用すべきだ。」という思いで考えたと言うし、「この街は負債を抱えた 夫妻は愛を抱えている」「不幸は人を集める 人は幸せを集める」といったフレーズは当然藤倉肇市長も公認済みだ。
 キャラクターは「(夕張を励まそうとする)意図に反しない限り」(ビーコンコミュニケーションズ社)、無料で自由に利用可能というので、早速、夕張メロンファンのunizouも使わせていただいた!