種類株市場解禁

 9月3日に、飲料メーカー伊藤園が、議決権はないが配当金額が普通株よりも125%高い優先株を発行した。
 それに先立ち、8月31日時点の株主に対して、普通株1に対して優先株0.3を無償で割り当て、そして3日に東京証券取引所優先株を新規上場した(http://www.itoen.co.jp/ir/class1/outline/index.html)。
 優先株は、東証が9月3日から創設する種類株市場において売買が可能となったばかり(売買単位は100株)。
 海外では活発に売買されていることから日本でもマーケットが創設され、伊藤園が第1号として登場したのだ。
 ちなみに、伊藤園優先株を発行する狙いは、スピーディな資金調達と個人株主の増加。
 そのため、この優先株は配当金額が高いだけではなく、普通株が無配の時でも、優先株には15円を配当するなど、配当を保証することで、議決権よりも配当や株主優待に価値を見いだす個人株主にアピールする。
 また、今回の伊藤園の特徴は、これまでの優先株の上場が、普通株への転換を前提とした資本増強策が主だったのに対し、普通株への転換を予定していないこと、このようなケースは初めてだそうだ。
 まだ取引を開始して数日、今後どのように値で推移するのか、注目されるところである。