頭にくる上司、手をやく部下との対話術
これ、ずいぶん前に買った成美文庫から出版されている本の題名(著者:福田健)。
上司に悩み、部下に困っていたときに買ったもので、ここしばらく本棚に眠っているが、時たま、気が向いて読み返す本である。
買った当時unizouが上司に悩んでいたことは、「計画性のないこと」や「判断をしてくれない」ということだった。
そして、部下に悩んでいたことは、「言われたことしかやらない」ということだった。
それ以外にもいろいろあったが、大きなことと言えば、今言った理由が多かった。
そんな悩みを抱えていると、「この人はダメな上司だ」とか、「この部下は使えない」ということになって、イライラしてグチっぽくなる。
しかし、本当は、自分がやりたいのは仕事。
どんな上司でも、どんな部下でも、結婚したり、褥を一緒にしたりするために一緒にいるわけでもない。
だから、性格的に合わなかったり、生理的に合わなかったりしても、そんなことはどうでもいいこと。
何とか、自分が考えてるように、仕事をやり遂げて行きたいというのが本音。
そんな方法について、この本ではまえがきにこう書いている。
上司と部下の理想的な関係は、友好関係、信頼関係である。とはいえ、現実となると、そうかんたんなものではない。上司と部下の間柄に問題が絶えないのは、理想と現実を混同してしまうからである。真面目な部下ほど、上司の理想像を追い求めて、現実の上司とのギャップに悩み、ついには頭にくるることになる。
(中略)
部下として、たとえ頭にくる上司であっても、どのように対処するかを身につけておけば、不快な日々を送らないですみ、評価も高まるのだ。対処法を一言でいえば、ありのままの上司を受け入れ、上司に貢献することである。
(中略)
上司として、手をやく部下にしろ、上手に対処する方法を把握しておけば、部下もやる気を起こし、成果も上がってまずまずの毎日を送ることができる。対処法のポイントを一言でいえば、欠点ばかり見ないで、長所を発見して伸ばすことだ。部下の成長を支援できれば、部下との関係も好転するだろう。
unizouの上司に対する「計画性のないこと」や「判断をしてくれない」という悩みについても、似たケースがかかれている。
「態度がはっきりせず、いっこうに決めない」
- 「このままではたいへんなことになります」と危機感を煽る。
- 「決めるとすれば、今日か明日中、どちらにしますか」と選択を迫る。
- 「担当者への連絡は私がやりましょう」と、協力を申し出る。
また、手をやく部下の「言われたことしかやらない」の悩みについては、次のように書かれている。
- 日ごろの仕事ぶりをねぎらう。
- 「よくやってくれる」と評価する。
- 自分で考えて、やるべきことに気づくように伝える。
- 「やっていいのかな」と心配になったら、遠慮なく相談するように言う。
- 指示は何をして欲しいか、指示ははっきり伝える。それとなくほのめかすやり方も、察する能力を育てる面はあるが初期段階では慎むこと。
本当は、上司になっても、部下であっても、仕事にみんなの心が向いていれば、仕事そのものを高めるために議論しあったりすることあっても、それぞれの仕事に対する姿勢や人間関係に悩むこともないはず。
でも、所詮人間だから、性格的・生理的に嫌だとか思うのも仕方ないことかもじれない。だとしたら、如何にそれを和らげる知恵がお互いにあるかが大事で、その工夫の仕方で自分が成長すると思えば、それはそれでやりがいのあることなのかもしれない。