納税者番号制度

 ずっと書こうと思っていたが、書きたいネタが続いたので書かずにいたテーマ。
 「農地制度改革」について書いたとき、読売新聞の社説を紹介したが、その社説のもう一つのテーマが、「社会保障番号」だった。【2007-06-20 http://d.hatena.ne.jp/unizou1972/20070620
 社説は、安倍首相が、年金や医療、介護などの負担と給付の記録を一元的に管理する「社会保障番号」の導入を急ぐ方針を表明したことに対し、「社会保障制度への不信感を払拭するために、与野党で本格的に議論を進めてはどうか」と主張するものだった。
 そして、民主党は「『年金通帳』や納税者番号制度の創設を主張している」とも書かれていた。
 以前からずっと、この国の国民性が「公務員に対しては厳しい要求を突きつけているにもかかわらず、その方法については、困難なやりかたばかりを押し付けていて、『口は出すが金は出さない』しみったれた金持ちのような態度でどうにも納得がいかなかった。
 そして、その典型が、納税者番号制度だとずっと思っていた。
 この納税者番号制度は、社会保障番号と同様、個人情報保護の観点から慎重論が根強く、何十年も置き去りにされたままになっている。
 今回、年金問題などの理由で社会保障制度の信頼を醸成するため、一元的な番号制度が導入されることをきっかけとして、是非納税者番号制度が一緒に検討されて導入されることになれば、事務の簡素化による効果もさることながら、課税の公平が実現され、悪いことをしている国民を除いて、国民のために本当にいいことだと思っている。
 さて、今回の年金問題は、読み方、転職、改姓などが原因であるという。
 これを、納税者番号制度を導入していない納税制度を考えてみるとどうだろう。
商売をしている友人に以前聞いたところでは、申告時期になると申告書が郵送されてきて、 そこには、整理番号なるものがついているという。
 ちなみに友人は、02**04**だそうである。ちなみに、これは、税務署ごとに勝手につけている番号だそうである。
 とすると、年金問題と同じように読み方が違っていたり、結婚したりすれば、あるいは住所が違えば、違う番号が付いてしまうこともあるということになるのでは?
 その結果、税務職員は、取引が誰と誰のものであるか、所得が誰のものでああるか、実際は不明ということも結構あるのではないか。
 そうしたら、課税の公平なんて、絵に描いた餅のようなものになってしまう。
 これだけ、世の中がグローバル化して、商売だってインターネット取引など複雑怪奇になっていてその実態を把握することが困難な時代に、税務署の職員ばかり、「マンパワーでがんばれ」って言ったって、可哀想なことだと思う。
 では、なぜ、課税の公平が大事だとunizouが思っているかと言うと、商売のスタートラインが違ってしまうからである。どんなに商売を工夫してやっていても、税金をごまかしていたりするようなところが競争優位に立つような世の中だったら、真面目に働く人はいなくなる。
 と言うわけで、納税者番号制度は、絶対実現してもらいたい。
 納税者番号制度で得られるメリットと、個人のプライバシーが危ういと言うことを比較したとき、個人のプライバシーの問題点は対策を考えれば、それが100%でなくても国民にとって十分なメリットがあるはずである。
 大局的に見て、ことの是非を判断してもらえれば、おのずと道は決まってくると思っている。