官と民

 毎日新聞の一面トップをマイナスの意味で飾りつづけている社会保険庁
 5000万件に上る該当者不明の年金保険料納付記録に加え、コンピューター入力されなかった厚生年金加入経験者の記録が、1987年時点で約1430万件あり、今も該当者不明のまま残っているデータが数百万件に上る可能性があるという。次から次へと沸きあがってくるお粗末な事務処理に開いた口が本当にふさがらない。
 今後、どう事後処理するか注目されるところではあるが、仮に一人づつに確認のための書類を送るだけでも、80円×5000万件で40億円もの税金かかると言われている。
 こんな不祥事に対する対応では、やはり官と民の差がでる。
 先日、5/27、システム障害で多数の欠航・遅延が発生した全日空
 実はその遅延の真っ只中、unizouは伊丹空港にいた。自動チェックインカウンターが使えない空港内は、有人の窓口に長蛇の列でごった返していた。
 こんなとき、2人や3人、怒号をあげてクレームを言う人はいるもの。冠婚葬祭に向かう人なのか、仕事で急いでいる人なのかは分からないが。ただ大半は、怒っても仕方がないという感じで淡々と状況を見守っていた。
 そして、Unizouも1時間遅れで目的地へ到着したのだった。
 今週早々、全日空から1通の封書が届く。
 中から「5月27日のシステム障害による欠航・遅延発生に関するお詫び」と題した文書で、迷惑をかけたことへの反省の言葉や再発防止への取り組みに関する事項が記されていた。
 全日空が何通このような文書を発送したかは分からない。
 何も見切り発車を歓迎するわけではないが、片や自己資金、片や税金とすぐ自分の意思で使える費用であるかに違いはあれど、不祥事後、直ちに対応できるこのスピード感の差を感じずにはいられなかった。