2つのモチベーション

 「502教室」の管理人、net plusさんが「企業診断」に寄稿されている「診断士試験なんて大っ嫌い!?」の6月号のテーマ「2つのモチベーション」。

 モチベーションの源泉は、「収入を増やしたい」や「・・・の地位を得たい」などの自分以外から与えられる動機付けの「外的モチベーション」と「夢を実現したい」や「自分自身を成長させたい」などの自分の中で生じた「内的モチベーション」の二つに分かれる。
 モチベーションを維持しやすいのは「内的モチベーション」で、モチベーションアップに即効性があるのは「外的モチベーション」である。
 「仕事をしても何か満たされない」と嘆いているのなら、自分が何をしたいのか、どんな価値観を大切にしているのか、立ち止まって今一度考えてみて!

 といった内容だった。
 今回の話、unizouは、どちらかというと「内的モチベーション」が強い。
 以前、中小企業との関わりが強かった時期があり、さまざまな辛い事例を見てきた経験がある。
 日本においては、中小企業に対する政策も、農業に対する政策も、以前はみんな補助金を中心とした政策で、確かに一時的に生き延びることはできたものの、仕事としてのやりがいを失わせたために後継者がいなくなり、また、経営のセンスを持たない中小企業が多くなって、今では、「地方の衰退」や「格差」といった問題に繋がってきているように思う。
 こういった問題になる以前のある時(もう10年くらい前になるが)、中小企業診断士という仕事を知り、個々の中小企業の自立を助けることができるのが、診断士なのではないかと思うようになったのだ。
 今では、結果的に「地方の衰退」や「格差」といった問題に、診断士は、地域レベル・個々の企業レベルでのさまざまなチャンネルで関わることができる大事な仕事なのではないかとも思っている。
 ただ、実際に地域や企業に自立を促す場合、当事者には相当の覚悟が必要であるし、導く側にも根気と忍耐が必要な非常に困難な仕事だと思う。
 まあ、それだけに、やりがいがあるともいえるが・・・。
 診断士になった時のモットーは、「抜苦与楽の徳を積んで生きたい」にしたい。
 抜苦与楽については、2006-06-18 「診断士の「深さ、幅の広さ」と観音さまの抜苦与楽」というテーマで紹介した。
 公方俊良氏の「般若心教 人生を強く生きる101のヒント」【三笠書房刊】にあるのだが、次のような内容である。【http://d.hatena.ne.jp/unizou1972/20060618

 観音さまの慈悲のお働きの徳を抜苦与楽と申します。(中略)
 観音さまは、まず苦しみにある人から、相手の苦しみの実情をつぶさにお聞きになられ、相手と同じ立場に立たれるのです。これが相手の音声を観察するということで、観音さまといわれるのです。相手と同じ立場に立てば、相手がうれしい時は喜び、相手が悲しいときは泣くという一体感に立てます。苦しみの8割は相手に聞いてもらっただけで解消するといわれています。これが観音さまの慈悲の徳といえます。
 次に観音さまは、相手と共に解決策を考え、智恵を発揮し、その人に応じた魚の捕り方を教えられるのです。そうすればその人は一生幸せに導かれるでしょう。これが、与楽です。

 中小企業や地域の困難をただ一緒に嘆き悲しむより、「人には魚を与えるより、魚の捕り方を教えてやる」のとおり、自立できるようにしてあげることが大事。
 そのために何が自分にできるか・・・。
 診断士の資格を取る前にこんなことを言うのもおこがましいが、それが、unizouのモチベーションの源泉である。