自己研鑽

 先日、社内研修が開催され、事前に支社社員は、よんどころない事情がない限り参加するよう通知されていた。
 内容は、「会社法改正による会計処理の変更について」、講師は外部から招いた専門家だった。
 主な内容は、貸借対象表の「資本」の部が、「純資産」の部に代わり、純資産の部に記載される事項が大幅に変更されること、勘定科目ごとの取り扱いの変更などであった。「財務・会計」で学んでいたunizouだったが、その内容から更に変更された事項もあって、財務会計を巡る環境はまさに過渡期であることを実感した。
 日ごろ、経理を担当している財務担当の社員や伝票処理を担当している各部の総務担当社員は、今まさに自分たちにかかわっている事項として真剣そのものに聞いていたが、営業などの現場担当者には、自分にあまりかかわりのないことのような雰囲気で聞いているように見えた。
 研修は1日で、昼休み明けのしょっぱな、眠気防止の意味かミニテストやらが配布され、社員一同ギョッとした。
 内容は、「A社の3月末の試算表に決算整理事項を反映させ、精算表を作りなさい。」(制限時間30分)というものだった。
 決算整理事項自体は従前通りの会計処理で解けるものだったため、資格の学校で学んだとおりに解いたところ、30分もかからずに完成し、ほっと胸をなでおろした。
 周りを見直すと、大半の社員が格闘し、用紙に空欄が目立った。そのため、自己採点で答案用紙は提出させられずに済んだことに安心した社員は多かったろう。
 でも、unizouはこの光景にとても焦りを感じていた。
 改正事項は分からなくても、知らなくても当然のような態度で、聴講していた社員たちだったが、かといって、従前通りのものすら対処できていない社員たちなのだ。
 Unizouの会社は、新人研修で、当面必要な知識を習得できるカリキュラムが用意されていて、その中に簿記も当然含まれている。
 「忘れちゃったなぁ。」と苦笑いしている社員があまりにも多すぎるのだ。伝票処理もパソコンが勝手に仕分けてくれる時代なので、致し方ないのかもしれない。
 それでもあまりに自己研鑽している社員の少なさに、わが組織を憂えずにはいられなかった。そういう意味で、支社の全社員を対象とする今回のような研修が、ひとりでも多くの社員の研鑽のきっかけになってくれたらと思う。