漢字離れ

 海外(かいがい)をかいがんと読む!?
 小中学校の教師などでつくる日本教育技術学会が7日に公表した「小学生が苦手な漢字」ランキング、日常生活でよく使う漢字に比べ、なじみの薄い漢字は読み書きともに苦手な傾向がくっきりと見て取れると報じらていたが、見る限り、日常生活でよく使う漢字さえも苦手と感じられている様に思う。
 調査は、2004年4〜5月に、全国の小学2年〜中学1年の計3万7835人を対象に実施されたもので、その方法は、各学年とも前年に習った漢字についての試験を行った結果に基づき、小学校で習う10066字すべての習得状況をまとめたものである。
 それによると、書き取りができなかった漢字の学年別のワースト1位は、習う漢字が少なく全体に正答率の高かった1年生が「ひとつ」の「一」(正答率70.8%)で、2年生が「海外」の「海」(同37.4%)、3年生は「放す」の「放」(同29.1%)、4年は「関心」の「関」(同20.7%)、5年は「支持」の「支」(同7.0%)、6年は「従来」の「従」(同15.5%)だそうだ。
 一方、読みのワースト1位は、1年生が「八つ」の「八」(同56.0%)、2年生が「海外」の「外」(同35・0%)、3年生が「実り」の「実」(同59.3%)、4年生が「末」(同56.1%)、5年生が「布きん」の「布」(同39.3%)、6年が「皇太后」の「后」(同35.2%)だった。
 書き取りのワースト1位の「ひとつ」は、「一つ」でなく「人つ」との誤答例が見受けられ、読みのワースト1位の「八つ」は「やっつ」でなく「はちつ」との誤答例が見受けられた。
 本当なのか?
 ふと頭をよぎったのは、子供の頃、父や母と一緒にお風呂に入ると、出る前に必ず、「20数えてから出なさい。」と口すっぱく言われたことだった。今なお、unizouのお風呂は、烏の行水気味であるが、子供の頃からその兆候があったのだろう。そう言われては、「ひとーつ、ふたーつ、みっつ、よっつ…」と顔を赤くして数えて、お風呂から出たものだった。大人になって振り返れば、親とのお風呂、思わず顔が緩む楽しい思い出だ。
 現代っ子は、こんな風にお風呂に入ることはないのだろうか。当たり前の数の数え方が、馴染みの薄い言葉、漢字になっているとは、残念だなぁ。