組織暴力3

 最近、立て続けに暴力団絡みの事件が発生している。
 17日には、指定暴力団山口組系の暴力団幹部に長崎市伊藤一長市長(61)が銃撃され、死亡した事件が発生した。
 その数日後の20日には、東京都町田市で都営住宅に暴力団員の男が拳銃を持って立てこもった。立てこもった暴力団員は、同じ組の暴力団員を射殺していた。
 捜査本部の調べによると、町田市内の都営アパートに立てこもった暴力団員は、射殺された組員との上納金を巡るトラブルが原因という可能性があるという。
 また、黙秘を続けていた長崎市長を銃撃した暴力団幹部は、捜査本部の調べに対し、「暴力団の威力を示し、集金能力を回復したかった」と供述しているという。
 以前も書いたが、暴力団の世界は、力があるか、少しだけ他の組員より小賢しい人間が、下のほうの組員から上納金を吸い上げて高級車を乗り回して良い生活をし、それ以外の組員は大変な生活を送っている。トップに立つ人間は一ほんの一握りで、サラリーマンより厳しい出世競争の世界で、何もいいことはない。ましてや、いつ命を狙われるかわからない世界で、びくびくして生活しなければいけない。
 だから、若者が絶対に暴力団員などになってはいけない。
 ましてや、昔のように(正当化しないが)、強気を挫き弱きを助ける任侠の世界に生き、清貧に暮らしている人間などいなくなった。
 堅気に迷惑をかけないなんて、夢のまた夢のような昔の話なのだ。
 最近の暴力団の世界の特徴は、ブランド化が進み、寡占化傾向にあるという。
 そして、資金源の変遷は次のように多様化している。

  • 昭和30年代    伝統的資金源(覚せい剤の密売、恐喝、賭博、ノミ行為など)
  • 昭和40年代    民事介入暴力
  • 昭和50年代    企業対象暴力
  • バブル経済期   不動産取引への介入、大量の株取引、リゾート開発への介入
  • バブル経済崩壊後 金融機関等への不良債権処理

          建設業、産廃業、不動産業、貸金業等の事業活動への進出、

 最近では、暴力団対策法による規制の強化とバブル経済後の経済不況により資金獲得活動の困難化から、資金源拡大のため、建設業、産廃業、不動産業、貸金業等の表社会へ進出し、その過程で、公共工事等の指名・入札・契約、行政指導、許認可等、助成金補助金交付金等の給付・貸付・支給、書籍・機関紙等の購入などの行政を対象とした不当要求が多くなっているという。
 unizouは、暴力により自由な人間の意思を変えようとすることは絶対許さない。
 アメリカの対応を批判するマスコミが多いが、どんな理由があっても、イラクのように暴力で自分たちの思うような世界に変えようとしているテロリスト達を絶対に許せない。
 暴力団も、それと一緒である。
 しかし、一人ひとりの人間は弱いし、怖い。
 私たちは、民主主義と自分の自由な意思で生きていける世界を守るために、断固一致して対応しなければいけない。
 以前紹介したが、「ミンボーの女」で伊丹十藏監督がパンフレットに書いた言葉を紹介したい。

 人は誰でもやくざを恐れる。やくざの前では、目を伏せて、かかわりあいにならぬようにして生きている。やくざの前では人々は誇りを踏みにじられ、屈辱に耐えている。私がやくざを許せないのはそこなのです。やくざが人々を恐怖で支配し、それによって意思決定の自由を奪い、人々に屈辱の人生を強いることなのです。

 本気で法整備をすれば、絶対に暴力団はなくなると、信じている。