駅弁・空弁・速弁

 昨日の今日だ。少しのどかな話にしよう。
 交通新聞社が発刊している「JR時刻表」、unizouの会社でも、出張するときの路線検索は専ら「駅スパート」が主流であるが、3月など大幅なダイヤ改正がある月などは、やはり「JR時刻表」を購入している。
 部署にたいていひとりは時刻表の達人がいるもので、いまだに自分の出張ルートは時刻表を愛用している職人チックな社員もいたりする。
 この4月号の特別付録は、JR時刻表と行く全国駅弁の旅という小冊子。
陽気のいい春、菜の花畑を背景にご当地の駅弁が紹介されていて、思わず旅に出たくなる。駅弁を改めてまじまじ見ると、地場の食材を存分に利用しているのが良く分かる。食材だけでなく、容器にも地元ならではの工夫をしているところが多く、さながら地元の広告塔のようだ。
 仕事でよく利用する沿線のUnizouお勧めの駅弁は・・・、
 東海道線ならやはり横浜の「崎陽軒シウマイ弁当(740円)」、昭和29年の発売、しょうゆが陶器の入れ物に入っていて、昔ながらのシュウマイにチョロッとしょうゆをかけていただくのが美味。ほかにも、鳥の唐揚げ、卵焼き、筍の甘辛煮などお弁当のおかずの王道が目白押しだ。ビールのつまみなら、シウマイだけでも大歓迎。
 上越線なら高崎の「ダルマ弁当(900円)」、こちらも昭和35年販売開始、ご飯は、醤油味で炊いた香ばしい茶飯。容器は、毎年1月の6・7日に高崎市郊外の少林山達磨寺で開かれる「だるま市」で売り出される開運縁起の目なしだるまにあやかったもの。
 この真っ赤なダルマの容器、食べ終わったら、大きく開いた口から推察できるとおり、貯金箱に利用できる。
 そして、信越線新津駅に昭和62年に登場した駅弁「雪だるま弁当(920円)」。雪国ならではの、白い雪だるま型をした容器がかわいらしく、頭の部分には鶏そぼろ御飯、胴体の部分にはご飯の上に鶏もも肉数の子、椎茸、山菜などがきれいに並べられている。ご飯が新潟コシヒカリというのもナイス。こちらの容器も使用後は貯金箱として利用できる。知らなかったが、この容器には白のほかに黄・青・緑・赤・黒があるのだそうだ。ちなみに現地で予約しないと入手困難なほど人気。
 駅弁のほか、空弁の人気もすっかり定着した。JALが国内線でファーストクラスの運行を止め、機内で食事の提供サービスがなくなった頃から、機内で手軽に食べられるお弁当として空港で売られ火がついた。「みち子がお届けする若狭の浜焼き鯖寿司(900円)」や「万かつサンド」はunizouもお気に入り。
 そして、最近は「速弁」と呼ばれるお弁当が流行の兆しを見せている。思わずハヤベンと読みたくなるこの代物は、「高速道路」で売っている弁当のこと。「空弁」に続けとばかり、昨年11月から東名高速道路などで販売が開始され、好評を博しているそうだ。ちなみに「速弁」は、中日本高速道路が商標登録を行っているとか。
 次々と新語も生まれ商品も生まれる一方、昔ながらの駅弁も根強く人気を保っている。次はどこで売られる弁当にブームの神様が宿るのだろうか。