Coffeeブレイク 5

先週、パレスサイドビルディング地下一階の上島珈琲店竹橋店で珈琲ブレイクした。
 本格的ネルドリップコーヒーがリーズナブルに味わえる上島珈琲店は、1933年の創業、日本におけるコーヒーショップの草分け的存在であるとともに、「缶コーヒー」を世界で初めて開発し、製造販売を開始したことでも有名だ。
 竹橋店は、「失われつつある日本の喫茶文化を大切にした、懐かしく温かで、しかし、かつて何処にもなかった珈琲店」がコンセプトだそうで、店内には、工業デザイナー柳宗理氏デザインの食器や椅子などが置かれ、レトロさの中に斬新さを併せ持つ空間になっていた。蛇足ながら、顧客層も老若男女入り混じり、空間に負けず劣らず、レトロと斬新さを併せ持っていた。
 上島珈琲店は、コーヒーのおいしさを最大限に引き出すとされるネルドリップを抽出方法に採用しているのが特徴だが、竹橋店では、特製「ミルク珈琲」が味わえるため、あえてミルク珈琲を注文、コーヒーとミルクのバランスが絶妙で懐かしい味だった。
 その上島珈琲が、ものすごいコーヒー豆を販売する。
 その名も幻のコーヒー「ブルボンポワントゥ」、驚くなかれ、100グラム7,350円(税込み)!!!、日本のコーヒー市場最高水準の販売価格だ。
 UCCのHP(http://www.ucc.co.jp/index.html)によると、「ブルボンポワントゥ」とはコーヒーの品種名で、仏領レユニオン島で65年前に途絶えた幻のコーヒーをUCCフランス共和国レユニオン海外県とが共同で研究開発し、この度、再生に成功したもの。
 18世紀初頭にブルボン王朝の命により、フランス東インド会社がイエメンのモカからレユニオン島(当時のブルボン島)に移植したコーヒーがこの島の風土に適合し、二度の突然変異を経て二つの品種(①ブルボンロンド、②ブルボンポワントゥ)が誕生した。
 「ブルボンロンド」は世界のコーヒー産地に広がり、現在のアラビカ種の中心的な役割を担うに至っているが、「ブルボンポワントゥ」は、生産性が低いため世界の生産国にはほとんど広がらなかった上、19世紀初頭にレユニオン島を襲ったサイクロンや干ばつなどの被害により同島のコーヒー産業が衰退するとともにその生産は途絶え、「幻のコーヒー」と言われるようになった。
 「ブルボンポワントゥ」の特長は、小粒で尖った外観と、他のコーヒーでは決して味わうことが出来ないフルーティな甘い香りとピュアな風味。そのため、18世紀のフランスでは国王ルイ15世や文豪バルザックもこのコーヒーをこよなく愛したと語り継がれている。
 UCCは、この幻のコーヒー「ブルボンポワントゥ」を復活させたいという夢を抱き、1999年にレユニオン島の現地調査に乗り出し、レユニオン県農政局の協力により島内で約30本の原木を発見したのをきっかけに再生プロジェクトを本格的にスタートさせた。
 そして約8年の歳月を経て再生に成功したコーヒー豆を今春2,000セットの数量限定、しかも完全予約制で販売する。
 さきの販売価格は、その稀少性と品質の高さから設定された価格だったのだ。
 一杯だけでいい!どうにか飲む術はなかろうか?
 目下、申し込もうか辞めようか真剣に悩んでいるUNIZOUである。