デパートの1階

 デパートの1階は大抵、化粧品売り場なことが多い。
 Unizouが知る限り、新宿伊勢丹、池袋西武、日本橋高島屋など、皆そうだ。
どうしてなのだろうか?
 実はこれ、先日見ていたテレビのクイズ問題。
 回答者は、思い思いに、ボードに答えを書き込んだ。
「足を止める女性客で賑わって見えるから」とか、「お化粧品のいい香りが人を呼ぶから」、「明るく華やかな店舗の印象を与えるから」など集客力に着目した回答、「客単価が高いから」と採算性に着目した回答、「お化粧品の香りをデパート中の芳香剤代わりにするには1階が効果的だから」などちょっと変わった回答など様々出揃ったところで、答えの発表。
 答えはいくつかあるようだ。
 まず、デパートのターゲットはやはり女性、とすれば、当然女性が関心を寄せる商品ということになる。その意味で、化粧品は、単価が高く、需要も多い、1階にはもってこいということになる。さらに、化粧品売り場にいる店員のほとんどが化粧品会社の美容部員であること、デパート側にすれば、正社員を置くことなく、つまり人件費を支払うことなく、稼動できることになる。
 そして、最大の理由。これはunizouにとっては意外だったのだが、化粧品の香り(人によっては匂い)がこもりにくいこと。デパートの1階には、当然出入り口が何箇所も設置されている。人の出入りと同時に空気も換気され、店舗内に充満するのを防げるというのだ。
 回答者は、いい香りや芳香剤など表現からも分かるように、化粧品の匂いを歓迎するムードであった。しかし、デパート経営側の視点からは、いかに充満を防ぐかが重要なようだ。確かに、今の空調設備であれば、その性能から、さほど匂いに嫌悪感を抱かせることもなく、適度ないい香りを保てるのであろうが、それがひと昔前であれば、いろんな香りが交ざり合って、決していい香りなどとは言えなかったかもしれない。
 空調設備の威力が確かであるかのように、最近では、化粧品売り場を1階でなく、2階や3階に配置するデパートも現れているそうだ。
 1階の化粧品売り場、経済性も一理あるが、実は、もっと原始的な理由だったとは、意外な店舗運営管理例だった。