官庁と民間企業
先日、郵便局に行った際に遭遇した光景である。
40歳前の男性が、郵便局の職員に向かって文句を言っている。
「以前に買った収入印紙がいらなくなったので、換金してくれない!!!」
「申し訳ないのですが、違う種類の収入印紙に交換ならできますが、換金はできないです」
「なんで・・・。4000円の収入印紙を国から買って、いらなくなったんだから引き取って、現金を返してよ!!!もう使う予定もないし・・・」
「そう言われても、できないんです。それに、お客様自身のご都合ですし・・・」
「何だ、その言葉遣いは。お客様自身のご都合だと・・・、ふざけたこと言うなよ!!!換えろよ!!!」
「いえ、そう言われましても・・・」
ごねている人の身なりは、普通だった。
そして、郵便局員の態度は、非常に丁重なものだった。
できないものは仕方ないと思うが、どうやら、そういった話はその人には通じないらしい。
随分前から、官庁に対する風当たりが相当厳しい。
仕事をしていない。給料が高いなど、処遇が良い。縦割りで無駄が多い、などなど・・・。
しかし、こういった光景を見ると、官庁全てが悪いのだろうかと思う。
こうして普通に郵便局員が対応しているのに、自分の都合ばかりを主張している。
今回のケースを見れば、官庁のやってること全てが正しいとは言わないが、国民(住民)の側にも責められることがないとは言えない。
公務員だから、少し高飛車に出れば何とかなるし、言い返してきたら、公務員の横暴などと騒ぎ立てればいいという考えがあるように思える態度だった。
もし、今回のケースで、公務員に切捨て御免の許しがあったとしたら、今回のお客のような横柄な態度を取るだろうか?言葉を慎重に選んで、対応を求めていただろうと思う。
一方の民間企業も、昨今は、不祥事続きである。
数限りなく、多くの企業で不祥事は続いている。
結局、官庁だからダメで、民間企業だから良いというような区別はない。
要するに、その組織にいる“人”の問題なのである。
以前、官庁は、官官接待という不祥事があった。国民の税金を使って、官庁の職員が、同じ官庁の職員を接待しているといったことであった。
意思の疎通を図るためと称して、自分の懐を痛めずに飲食をしていた。この資金が、税金であったから、国民(住民)みんなが怒った。
では、民間企業はどうか?
一旦給料を上げると、固定費化してしまうので、福利厚生や接待費として社員に渡す。社員にとって課税されない所得になることからから、「実入りが多い」と社員は喜んでいる。
しかし、企業本来の利益追求とは正反対、あきらかに違っているものである。
結論から言えば、官庁にしろ、民間企業にしろ、財務面での透明化を図る以外に、健全性を保つことはできないということのだと思う。
清貧な人は、ごくまれなのである。
だから、以前から、透明性を確保するための仕掛け、仕組みで対処する以外にないと思っている。