ゴミ箱の悲鳴vol.2

 20070326付けブログで、高速道路のサービスエリアなどに家庭ごみや粗大ごみが大量に持ち込まれているという話を書いたところ、同様にコンビニでも、持ち込みゴミの対応に苦慮しているとの記事を読んだ(20070404読売新聞朝刊)。
 持ち込まれるゴミの種類は、残飯をはじめ、犬の糞、髪の毛の束、ゴミが詰まった掃除機のパック、調理で使った豚の頭まであるそうだ。
 あるアンケートでは、回答したコンビニの9割以上が、家庭ごみが持ち込まれていると答え、別のアンケートでは、約5割の店舗が毎月、ゴミ処理に21,000〜40,000円の費用を投じていると答えている。特に通勤途中に捨てやすい立地の店や分別回収が厳しい地域の店で家庭ごみが多くだされる傾向があるそうだ。コンビニのほとんどが、個人によるフランチャイズ経営のなか、ゴミ処理の費用負担はそのまま店側にかかってくるため、切実な問題だ。恒常的に発生する費用として予算措置しなければならない。
 持ち込み禁止のステッカーを目立つところに貼る、監視カメラをつける、店員が定期的に巡回する等で自衛するも、抜本的な解決策はないのが実情だ。ゴミ箱を店外でなく、店舗内に、しかも店員の目の届く所に置くという手もあろうが、店舗設計の効率化や食品を扱う上での衛生管理上あまり好ましくなかろう。
 結局、個人のモラルに賭けるしかないところが、いかんともしがたい。
 かつて、地下鉄サリン事件発生直後、駅、商店街等から一斉にゴミ箱が消えた。しばらくしてゴミ箱は戻ってきたが、中が見える箱枠に変わり、セットする袋も無色透明に徹底された。ゴミ箱がない間、ちょっとしたものが捨てられず、大変不便だった。このときは、不便さより、安全性確保が最優先だったし、市民を犯罪から守らねばならない必要があったから当然受け入れられた。
 家庭ごみがエスカレートするようだったら、店舗内に最少限のゴミ箱設置にとどめ、店外のゴミ箱は撤去もやむをえないのではないか。販売した商品に係るゴミならいざしらず、持ち込まれた家庭ゴミの処理費用までが、店舗運営上の社会的責任として負担すべき費用とは到底思えない。怒れるコンビニを世間にアピールしてもよいと思う。
 毎年GWが近づく頃、自分の竹やぶで掘りたての筍を送ってくれるおじがいる。そのおじがここ数年前から筍どろぼうにあって困っていた。どうやら夜明け近く、先を越されるかのように掘られているらしい。一晩中見張っているわけにもいかないしと考えた挙句、昨年、自衛策として思いついたのが、「食べるな!キケン」という看板、早速数箇所に立ててみたそうだ。その効果か昨年被害は激減、しかし時間の問題だろうというのがおじの考え。
 持ち込み家庭ごみしかり、筍どろぼうしかり、この国のモラルはどこへ向かっているのだろう…。