NOVA受講料訴訟最高裁判決と診断士学習

 昨日、テレビCMやノヴァウサギで有名な英会話学校最大手のNOVAを被告としたポイント制受講料の過払い分約31万円の返還を求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第三小法廷は同額の返還を命じた二審東京高裁判決を支持、同社の上告を棄却したため同社の敗訴が確定した。
 判決理由は、「契約解除に当たり、特定商取引法特商法)は契約時を上回る価格での精算を認めていない」と初判断を示し、「中途解約(退校)時、常に契約(入校)時より高額な受講料で精算されるNOVAの契約は実質的に規定外の違約金を定めたもので、特商法の趣旨に反して自由な解除権を制約し、無効」と認定したという。
 特定商取引法は、診断士試験のための知識としても必要とされ、資格の学校T○Cのテキストでも、「その他の経営法務に関する知識」の中で学習する。
 同法においては、「特定商取引」の6形態(訪問販売、通信販売・電話勧誘販売に係る取引、連鎖販売取引特定継続的役務提供に係る取引、業務提供誘引販売取引)と、特定商取引には含まれないが、売買契約に基づかないで一方的に商品を送りつけてくる商法(「送りつけ商法」又は「ネガティブ・オプション」と言う。)が規定されている。
 同法の目的は、特定商取引を公正とし、及び購入者等が受けることのある損害の防止を図ることにより、購入者の保護し、あわせて商品等の流通及び役務の提供を適性かつ円滑にし、国民経済の健全な発展に寄与することである。
 フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』から引用して簡単にいうと、主に無店舗販売に際して、販売者側に一定の規制を課し、消費者側の保護を目的とするもので、1976年に「訪問販売等に関する法律」(略称「訪問販売法」)の名称で制定されたが、訪問販売にとどまらず通信販売など無店舗販売の形態が多くなったため、2000年に現在の「特定商取引に関する法律」に改称されたという。
 今回の判決は、特定継続的役務提供に係る取引(特定商取引法第4章 特定継続的役務提供(第41条〜第50条))に関するものであり、NOVA側は、「回数を多く通う受講生の大幅割引のためのもの」と主張しているという。
 NOVA側の真意は別として、特定商取引法の6+1形態に見るように、世の中は一時だけ儲けるための商売が横行している。
 企業が、ゴーイングコンサーンであるならば、信用なくして商売は成り立たないと思う。
 つまり、手っ取り早い金儲けは、消費者の利益を損なうし、企業の継続性を自ら否定することになると思う。
 unizouも知り合いが葬祭互助会を解約するのに、非常に苦労する話を聞いた。
 NOVAであれば講師の給料、葬祭互助会であれば営業員の報酬が固定費化するため、解約されることを避ける仕組みを構築せざるを得ないのかもしれない。
 よくよく考えてみると、生命保険や損害保険の外交員などの給料も固定費化していて、それが商品の値段に反映したりしていないのだろうかと思う。あまり、その件に関して文句を言う人はいないかもしれないが、外交員の存在に付加価値を認めるのであれば、外交員を介した契約とそうでない契約の商品に価格差をつけるという必要があるように思う。
  いずれにしろ、NOVAに関して言えば、国民生活センターには解約を巡る相談や苦情が年間1000件以上寄せられていたというから、ゴーイングコンサーンとして、その対処は真摯に行う必要があるだろう。
 蛇足だが、将来、診断士の資格を取ったら、英会話学校でネイティブスピーカーによる英会話学習をして英会話能力を身につけ、浅草寺の門前で外国人観光客相手にボランティアガイドをどうしてもやりたいと思っているunizouにとって、今回の判決は、非常にタイミングも内容もいい判決だった(?)といえる。
 PS.訪問販売の中には、催眠商法(SF商法)も含まれるが、その催眠商法をSF商法となぜ言うのかT○Cの講師が講義の中で教えてくれた。新製品普及会の略だそうだが、こういったネーミングは、誰がつけるのかわからないが、本当に言い得て妙だと感心するものが多い。