恩が仇!?

 日頃、unizouは仕事のことで後輩から質問を受けたりすると、自分の知っている限り、それを惜しむことなく伝える様にしている。
 それはまだunizouが駆け出しの頃、「俺の背中を見て育て!」と言わんばかり、質問してもなかなか教えてくれない先輩の下で1年仕事をし、とても苦労した覚えがあるからだ。
 もちろん、unizou自身の物の聞き方が悪かったのではないかと自問自答したが、入社した時の上司に、「同じ質問は3回してはいけないよ。それも1回目はただ聞いてもいいが、2回目はある程度調べてから出ないとね。そのためにもメモを取る習慣をつけなさい。」と。Unizouはこれを忠実に守り、月日を重ねた(その上司と数年ぶりに同じ部署に配属になった話は20060325付ブログ参照)。
 だから俺の背中の先輩に質問する時も、初回からある程度調べてそれでも分からない点を教えてもらう姿勢で臨んだが、宝の出し惜しみなのか、いつもはぐらかされて答えてもらえず、やり方を盗み見ざるを得ず、気持ちが晴れなかった。
 その経験があるから、unizouはけっして宝の出し惜しみはしまいと思っている(たいした宝ではないが)。そのせいか、職場の仲間から、日々色んな質問を受けている。
 先日、3年前にunizouがしていた仕事の後任者から意見を求められたので、今の仕事上の立場ではなく、あくまでその仕事のOBとしての意見であるとを断った上で、問題点や改善点をコメントした。その仕事は、社内でも特殊だったため、過去の歴史や背景を調べ上げないと対応できず、苦労した記憶がある。噛み砕いて理解するまでに相当な時間がかかるのだから、改善点を一朝一夕で見つけるなど不可能に近い。
 これまでも、後任者から質問を受ければ、時間を割いてunizouの知り得る全てを端的に教えてきた。何を勉強すればいいかを教え、それに膨大な時間をかけさせるより、unizouが理解している内容を口頭でコンパクトに伝えた方が効率的・効果的と考えたからだ。もちろん異動でその仕事から離れた際に、マニュアル化したものもある。暗黙知形式知化だ。
 しかし、老婆心ながらOBとしてした意見が、まるでunizouの現所属部署の総意であるかのようにまとめられたペーパーが出まわっていて唖然とした。
 即座に連絡し、あくまで個人の意見なのにそのような表現ぶりでは困る旨伝えた。すると後任者は、「恩を仇で返すような形になってすみません。」などと言うのだから、これまたびっくり。
 この1件で、unizou自身反省した。実は、仕事に真摯に向き合っていない人ほど要領良く、そして軽軽しく人に物を聞くのではないだろうか。本当に真面目に勉強・調査をした人は、その苦労を知っているからこそ、自分以上に取り組んだ経験を持つ人にそう易々と教えを請えまい。
 依然、暗黙知形式知かは重要と思っていることに変わりはない。しかし、ある程度基礎・基本は自分で磨いてもらわないと、人的組織としての基礎体力の低下につながり、弱体化してしまう。これからは仏のunizouではなく、少し鬼になってみようと思う。