ごみ箱の悲鳴

 先日、高速道路のサービスエリアなどに家庭ごみや粗大ごみが大量に持ち込まれているという記事をよんだ。
 何でも、海老名SAや談合坂SAを抱える中日本高速道路会社(名古屋市中区)管轄内のサービスエリア、NEXCO中日本の休憩施設で発生するごみの約60%が、粗大ごみ(タイヤ、家電品、家具など)、家庭ごみ、観光地で発生したごみ、大量の弁当の空き箱などの高速道路外から持ち込まれたごみなのだそうだ。
 一方、サービスエリア内で発生するゴミは、ここ数年のごみの削減やリサイクルなど環境負荷低減への取り組みによって減ってきているという。
 持ち込みは、早朝や深夜など、サービスエリアが閉まっていて、人気の少ない時間を狙って行われる。家電リサイクル法の施行や自治体で粗大ゴミが有料化されて以降、その傾向は顕著となった。
 不法投棄されたこれらのゴミの処理費用は,サービスエリア・パーキングエリアの運営収入でまかなわれているという。
 ごみの持ち込み防止はお客様一人ひとりのモラルの向上が不可欠であるが、捨てる方からすれば、高い高速代を支払っているのだから、少しくらい構わないだろうという気持ちもあるようだ。
 Unizouの住むエリアでは、カラス対策のため、ごみは、必ず蓋付きのゴミ箱に入れた状態で集積場まで持っていく決まりがある。先日、そのルールを破り、スーパーのレジ袋のまま出す者が現れた。そのレジ袋は格好のカラスの的となり、連日袋がつつかれ、ゴミが散乱した。皆迷惑がっていた。
 住民の調べで、どうやらその者はエリア外の者で、早朝ゴミを置いていっていたことが分かった。判明した途端、放置は止まった。
 先のNEXCO中日本でも、これまで啓発看板やポスターを掲示するなどして注意喚起してきたが、一向に減少しない現状に、「ごみの不法投棄は犯罪だと警告を出す必要がある」として、強い姿勢で対策に取り組む方針を明らかにした。
 今後、ポスターの掲示や監視カメラの設置などのほか、照明を明るくすることを不法投棄の多い談合坂SAなどが中心に実施していくという。
 ちなみに、ゴミを不法投棄した場合は、法律により5年以下の懲役または1千万円(法人の場合は1億円)以下の罰金に処せられる。
 最近、ひとりひとりが持っている良心の幅が随分ぶれている様に思う。格差社会と言われる一方、個人や利益追求型の社会において、地域や社会、広くは地球の一員という自覚を持てというのは相当難しい。