在庫担保融資「カニ」
昨日夜9時のNHKニュース中で、地方の「ある特産物」を担保に資金融資をしたというニュースを報じていた。
それは、鳥取県堺港で水揚げされる「紅ズワイガニ」。
この1月、商工中金(米子支店)と山陰合同銀行が連携・協調して、北陽冷蔵株式会社(本社:鳥取県境港市)に対し、「紅ズワイガニ」を担保とする「シンジケートローン型アセット・ベースト・レンディング(ABL)」契約を締結したという(http://www.shokochukin.go.jp/news/nl_yonago_20070131.html、さすがにローンの種類までは報じていなかったが。)
融資を受けた北陽冷蔵株式会社は、境港で水揚げされる「紅ズワイガニ」を利用したカニ加工品の製造を行う地元有力企業だそうで、主力商品である紅ズワイガニやカニ爪フライ等は、HACCP(1995年に改正された食品衛生法で導入された「総合衛生管理製造過程」に基づく承認制度)の認定を受け、徹底した品質管理により、安全で安心できる製品を作り出している。
今回の融資の背景には、2000(平成12)年に起きた鳥取県西部地震。
境港市周辺も震度6強を観測し、その影響で地盤が液状化、地価は地震前の3分の1にまで落ち込んだそうだ。不動産の担保価値が下がってしまった結果、新たな担保として目に留まったのが今回の在庫担保融資。
そして北陽冷蔵株式会社の決め手となったのは、製品在庫の徹底したコンピュータ管理システムだった。在庫の受払い状況は随時更新され、単価を乗じることで、瞬時に在庫有高(在庫評価額)が分かる。
最近、豚、ワイン等の実例で時々話題になってきていた在庫担保融資、浸透しつつあるのを感じる。
NHKの全国放送、しかもゴールデンタイムの放映となれば、今後の活用に加速がかかりそうだ。